💡 この記事でわかること

  • 約5年ぶりの輸入解禁でスリランカ相場が動いた理由
  • ヤリス・ライズ・ヴェゼルの具体的な仕入れ判断基準
  • 「製造から3年以内」規制で船積みできなくなる落とし穴
  • 車台番号から製造年月日を裏取りする実務手順
  • 突発的な関税変更に備えるための情報収集の勘所

約5年。スリランカが自動車の新規輸入を止めていた期間です。2020年から続いた輸入制限が、2025年2月にようやく段階的に解除されました。

この「5年分の空白」が何を生んだか。買い替えたいのに買えなかった人が、国中に溜まっているという状態です。そして解禁と同時に、その需要が日本のオートオークションに向かってきました。特定車種の相場が急に跳ねる、あの現象です。

この記事では、スリランカ輸出で利益が狙えるヤリス・ライズ・ヴェゼルの3車種について、仕入れの判断基準を具体的に書きます。あわせて、スリランカ特有の年式規制と関税リスクも押さえます。ここを知らずに会場で手を挙げると、けっこう痛い目に遭います。

5年ぶりの輸入解禁!スリランカの中古車輸出市場が今アツい理由

スリランカ政府は外貨不足を理由に、2020年から自動車輸入を厳しく制限してきました。それが経済状況の回復にともなって、2025年2月から自家用車を含む輸入が約5年ぶりに再開されています。

つまり、抑え込まれていた買い替え需要が一気に市場へ流れ込む局面です。日本の中古車輸出業者にとっては、久しぶりに出てきた大きめのチャンスと言っていいと思います。日本車は現地で品質への信頼が厚く、「輸入が再開されたら日本の車を買う」と決めていた層が確実にいます。

禁輸期間中の需要が爆発!オークション相場が高騰している背景

5年間、新しい車が国内に入ってこなかったわけです。当然、走っている車はどんどん古くなります。修理して延命させながら乗り続けた車が増え、供給は完全に滞りました。

そこに解禁です。「そろそろ新しい車に乗り換えたい」と5年間言えなかった人たちが、いっせいに動き出しました。結果として、日本のオークション会場ではスリランカ向けの応札が特定車種に集中し、相場が短期間で上に振れています。

ここで気をつけたいのが、こういう相場は「うれしい」だけでは終わらないという点です。国内小売基準で見ていた仕入れ上限のまま会場に入ると、まず落とせません。逆に、勢いに引きずられて上限を無視して追いかけると、船賃と諸費用を乗せた時点で利益が消えます。相場が上がっている局面こそ、会場に入る前に仕入れ上限を決めておいてください。

茶谷’s POINT
特定の国で輸入規制が緩んだ直後は、現地からの買いが集中し、日本のオートオークション相場が短期間で上に振れることがあります。私もこれまで、ある国から買いが集中したことで「昨日までの仕入れ上限ではまったく落とせない」という場面を何度も見てきました。
こういうときに怖いのは、相場についていこうとして仕入れ値だけを上げてしまうことです。現地でいくらで売れるか、船賃や税金を含めていくら残るか。そこから逆算した上限を超えたら、人気車種でも一度見送る。そのくらいの線引きは持っておきたいところです。

なぜ低排気量やハイブリッド車が求められるのか、ここがポイントです

スリランカでは、自動車の輸入にかかる税金が排気量などの条件で大きく変わる仕組みが取られています。自動車やバイクにかかる物品税の税率は、排気量・動力源・車齢・原動機の出力によって区分が分かれます。

この構造があるため、1,000ccクラスのコンパクトカーや軽自動車は現地の販売価格を抑えやすく、売り手にとっても買い手にとっても扱いやすい存在になります。加えて、燃費のいいハイブリッド車も強い。ガソリン代が家計を直撃する国では、燃費は「装備」ではなく「生活費」の話になります。

「じゃあ小さくて燃費が良ければ何でも売れるのか」と思いますよね。そこは違います。税区分で有利なことと、現地のバイヤーが実際に売りやすいと感じることは別問題です。だから次のセクションの3車種のように、税制と好みの両方に当たっている車種を狙うのが現実的な戦い方になります。

国ごとの需要の違いや輸出の流れを一度整理しておきたい方は、中古車輸出ビジネス完全ガイドもあわせて読んでみてください。スリランカのように規制が動く国を扱うときほど、基本の流れを押さえているかどうかで判断のスピードが変わります。

自社の在庫がスリランカ向けに向いているのかどうか、判断がつかないという声もよくいただきます。輸出可能性の診断もお受けしていますので、海外販売を検討中の方は気軽にご相談ください。

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スリランカ輸出で高利益が狙える注目3車種、プロはここを見ています

市場が活況だからといって、やみくもに仕入れても利益にはつながりません。現地の税制と消費者の好みに当たっている車を選べているかどうか。そこで結果が分かれます。

ここでは、需要が高くオークション相場も上がっている「ヤリス」「ライズ」「ヴェゼル」の3車種について、仕入れの判断基準を具体的に見ていきます。年式・グレード・走行距離・色。この4点をどう組み合わせるかという話です。

【ヤリス編】1,000ccモデルの選び方、先に知っておいてください

ヤリスは、前身のヴィッツの時代からスリランカで人気と信頼を積み上げてきた車種です。「日本のコンパクトカーといえばこれ」という認知が現地にできあがっている強みは、思っている以上に大きいです。認知がある車は、現地の販売店が値付けに迷いません。だから動きが速い。

ただ、税金まわりは慎重に見てください。2025年2月に輸入禁止措置は解除されましたが、依然として高水準の物品税とVATが課されており、低排気量車に対する明確な優遇税制が確認できるわけではありません。物品税率は排気量・動力源・車齢・原動機の出力で区分が変わります。政府としては年間の歳入目標を達成するため、自動車業界の税負担を軽減して市場を活性化させる方針も示しています。

つまり「小排気量なら必ず安く入る」と決め打ちしないこと。ここを思い込みで進めると、現地の売値の想定がまるごとズレます。

仕入れの実務としては、年式が新しい高年式の個体を中心に、グレードは装備の充実したZやGを選ぶと現地でのリセールバリューが高まる傾向にあります。同じ年式・同じ走行距離でも、下級グレードは現地で商談が長引きます。在庫回転を考えるなら、多少単価が上がってもグレードは落としすぎないほうが結果的に得です。

【ライズ編】1,000ccターボとハイブリッド、ここで差が出ます

コンパクトSUVのライズも、スリランカ市場に合っている車種です。狙うべきは2本柱で、1,000ccのガソリンターボ車と、1,200ccのハイブリッド車になります。

1,000ccターボは、排気量が小さいのに走りが力強い点が評価されています。税区分の面でも有利に働きます。舗装状態が良くない道や坂道の多いエリアでも走らせやすいという感覚が現地にあり、「小さいのにちゃんと走る」という評価はSUVでは効きます。

一方のハイブリッドモデルは、燃費性能そのものが売り文句になります。燃料代が生活に直結する市場では、この一点で商談が決まることも珍しくありません。

どちらのモデルも、後述するスリランカの年式規制をクリアできる3年以内の高年式車がターゲットです。つまり、玉数がそもそも限られる。会場でライバルとぶつかる前提で、事前に落札ラインと代替候補を用意しておくかどうかで結果が変わります。

【ヴェゼル編】現行(RV系)と先代(RU系)の相場動向、意外に強いです

ホンダのヴェゼルは、SUVの力強さと高級感を併せ持つデザインで、スリランカの若手起業家層やファミリー層から高い支持を得ています。単なる移動手段ではなく、ステータスとして選ばれている車です。

特にハイブリッド車は需要が供給を上回る状態が続いており、新車価格に近い金額、低走行車の場合は新車価格以上で取引されることもあります。国内の感覚だと「中古が新車を超えるわけがない」と思いますよね。輸入が止まっていた国では、それが普通に起こります。

狙い目は、年式規制をクリアできる比較的新しいモデル。特に2021年以降の年式で走行距離が3万km以内、上級グレード(e:HEV Z、PLaYなど)は高値で取引される傾向があります。

ボディカラーは、パールホワイトやブラックといった定番色が好まれる傾向が強いです。ここは国内の下取り査定と発想が近いのですが、輸出の場合はもっと露骨に効きます。個性的な色は、現地の在庫棚で滞留しやすい。長く置けば置くだけ、現地バイヤーの資金が寝ます。だから彼らは最初から定番色しか買いません。仕入れで色を妥協すると、売れないのではなく「そもそも引き合いが来ない」ことになります。

仕入れで失敗しないために、ここを間違えると危険です

スリランカ向けで利益を出すには、現地の特殊なルールを正確に理解しておく必要があります。特に年式に関する規制は厳格で、これをクリアできない車両はそもそも輸出できません。

さらに、突然の税制変更というカントリーリスクもあります。「相場が高いから買う」ではなく、「ルールを確認できたから買う」。この順番を崩さないことが、この国では守りの基本になります。

「登録日」は無関係!「製造から3年以内」という年式規制を甘く見ないでください

スリランカ輸出で最も注意すべきは、「製造から3年以内」という年式規制です。基準になるのは、車検証に書かれている初度登録年月ではありません。車両が工場で生産された製造年月日です。

初度登録が3年以内でも、製造から3年を過ぎていれば輸出できません。この一行を読み飛ばすと、痛い失敗につながります。

よくあるのが、こういう流れです。オークションの出品票で年式を確認して「まだ3年以内だから大丈夫」と落札する。ところが製造年月を調べたら、登録前に在庫として置かれていた期間があって、製造ベースでは3年を超えていた。この時点でスリランカ向けには出せません。仕方なく別の国のバイヤーに振るか、国内で処分するかの二択になります。当初想定していた利益は、当然消えます。

特に注意したいのが、登録が年をまたいでいる個体です。新車が売れ残って翌年に登録された車は、登録と製造のズレが大きくなります。相場が上がっている局面では玉数が減るので、こういう「ギリギリの個体」に手が伸びがちです。だからこそ、仕入れ前に車台番号からメーカーへ製造年月日を問い合わせる作業を、面倒でもルーティンにしてください。1台あたり数分の確認で、数十万円の事故を防げます。

突発的な関税引き上げ、最新の税制情報を追っていないと損をします

スリランカでは過去に、政府の政策変更で予告なく関税が引き上げられたり、新たなサーチャージが導入されたりした経緯があります。経済状況や外貨準備高の動きに応じて、こうした変更が突発的に行われるリスクは常にあります。

怖いのは、仕入れから船積み、現地到着までの間にルールが変わるケースです。輸出は「買った瞬間に利益が確定する商売」ではありません。着いて、通って、現地で売れて、ようやく確定します。その間にコスト構造が変わると、利益計算が根本からやり直しになります。

対策はシンプルです。第一に、船積みまでの日数を短くする。第二に、税制が変わった場合に価格をどう調整するかを、現地バイヤーと事前にすり合わせておく。第三に、情報源を一次情報に寄せる。各国の輸入規制についてはJETROが公開している海外ビジネス情報などを定期的に確認し、現地バイヤーからの話と突き合わせる習慣をつけておくと精度が上がります。

スリランカ輸出で相場が上がる車種選びに関するよくある質問

ここからは、実際にご相談としてよくいただく質問をまとめます。車種選びと規制のところで詰まる方が多いので、その2点を中心にしています。

Q. ヤリス、ライズ、ヴェゼル以外に狙い目の車種はありますか?

あります。スリランカでは、低排気量で燃費の良いコンパクトカーや軽自動車が注目される傾向にあります。具体的には、トヨタのアクアやヤリスクロスハイブリッド、スズキのワゴンR、ダイハツのミライースなどが一般的に人気を集めています。

これらは需要が見込める車種なので、選択肢として十分検討できます。ただし、人気3車種と同じ土俵で戦うより、この層で数を回すという戦い方もあります。単価は下がりますが、玉数が確保しやすく、在庫回転で稼ぐ形に持っていきやすいからです。自社の資金体力と回転の考え方で、どちらに寄せるかを決めてください。

Q. 「製造から3年以内」という年式規制は今後も続きますか?

現時点では、すぐに緩和または撤廃される可能性は低いと考えています。この規制には、国内の自動車産業を保護し、過度な中古車輸入による外貨流出を防ぐ目的があるためです。

経済状況によって変更される可能性は否定できませんが、当面は継続する前提で事業計画を立てるのが現実的です。「そのうち緩むだろう」と見込んで古い個体を先回りで抱えるのは、輸出では一番やってはいけないパターンです。規制は緩むかもしれないし、緩まないかもしれない。緩まなかったときに在庫がそのまま残る、という前提で判断してください。

Q. 正確な製造年月日を調べる具体的な方法を教えてください

最も確実なのは、各自動車メーカーの相談窓口に車台番号を伝えて問い合わせる方法です。時間はかかりますが、根拠として一番強いのはここです。

あわせて、一部の車両ではシートベルトの付け根にあるタグに製造年月日が記載されている場合があります。現車確認ができるなら、ここを見る癖をつけておくと早いです。

いずれにしても、オークションの出品票だけを鵜呑みにしないこと。出品票は登録ベースの情報が中心です。裏取りを1工程入れるだけで、仕入れミスの大半は防げます。

「この在庫はスリランカ向けに出せるのか」「年式的にどの国なら通るのか」といった判断で迷ったら、そこだけでもご相談ください。掲載をご希望の販売店様のお問い合わせも、お問い合わせフォームから受け付けています。

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まとめ

約5年ぶりに輸入が解禁されたスリランカ市場には、はっきりとした商機があります。ヤリス、ライズ、ヴェゼルは現地の税制と需要の両方に当たっている車種で、条件が合えば利益も見込めます。

ただ、勝負を分けるのは車種選びだけではありません。「製造から3年以内」という厳格な年式規制を外さないこと。突発的な関税変更に備えて情報を追い続けること。この2つを守れているかどうかで、同じ車を仕入れても結果が変わります。

相場が上がっている局面ほど、確認を飛ばしたくなります。そこを飛ばさない会社が、こういう市場でちゃんと残ります。

UCARWORLDが選ばれる理由

「スリランカが解禁されたのは知っている。でも、うちの在庫で本当に戦えるのかがわからない」。この相談が、いま一番多いです。規制がある国は、情報を取れる会社と取れない会社で結果がはっきり分かれます。ひとりで手探りでやると、たいてい年式規制のところで一度授業料を払うことになります。

私はトレードカービュー(現TCV)の立ち上げに関わり、その後は自分の中古車輸出会社カーペイディーエムを創業して、豊田通商グループへM&Aするところまで経験しました。これまで1,000社以上の販売店の輸出支援に携わってきました。机の上で書いた話ではなく、実際に売って、実際に規制に振り回されてきた立場からお伝えしています。

UCARWORLDは、世界100か国以上のバイヤーとつながるグローバル中古車マーケットプレイスです。スリランカのように規制でターゲットが絞られる市場では、「1か国に賭けない」ことが最大のリスク管理になります。年式規制で外れた車も、条件の合う別の国へ回せる。この選択肢の広さが、長期在庫の出口づくりに直結します。

どの国なら年式や仕様の条件を満たせるのかを比較したい方は、国別の中古車輸出規制一覧も参考にしてみてください。仕向地を一つに決める前に、複数の出口を見ておくと判断しやすくなります。

海外販売が初めてでも、加盟いただいた販売店様には売り方の部分から一緒に組み立てていきます。

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