こんにちは、茶谷です。今日は「トップ営業だったのに、管理職になってから成果が出ない」という話を、できるだけ正直にお伝えしようと思います。

これ、実は相談の中でもかなり多いテーマで、「自分だけが悩んでいるのかも」と思っている方も多いんですが、全然そんなことはありません。構造的な話なので、まず「なぜそうなるのか」から順番に説明します。

中古車輸出ビジネスは、世界中の需要に応えるダイナミックな市場であり、起業や副業の選択肢としても注目されています。この業界で営業としてトップの成績を収めた人材が管理職へ昇進する際、個人のプレイヤースキルだけでは乗り越えられない壁に直面することが少なくありません。管理職には、チームを率いて組織全体の成果を最大化する新たな能力が求められます。

この記事では、トップ営業から優れた管理職へと成長するために必要な3つの力と、既存のビジネスモデルを俯瞰し変革する視点について解説します。


トップ営業ほど管理職で壁にぶつかる、その理由を正直に書きます

トップ営業として成功を収めた人材は、卓越した個人のスキルと成功体験を持っています。でも管理職に求められるのは、個人の成果ではなく組織全体の成果を最大化する能力です。自身の成功法則に固執するあまり、多様なメンバーで構成されるチームを率いる上で、その経験が逆に足かせとなってしまうケースが実際にあります。

プレイヤーとしての視点から、チーム全体を俯瞰するマネージャーとしての視点へ切り替えること。これが最初の関門です。

「自分でやった方が早い」が、チームの成長を止めています

「自分がやった方が早い」と思いますよね。実は、それが管理職として最初につまずくポイントです。

プレイヤー時代は、自身の売上目標達成が最優先事項で、個人の成果が歩合として直接評価に結びついていました。しかし管理職の役割は、部下やチームメンバーを育成し、彼らが成果を出せる環境を整えることです。過去の成功体験から「自分がやった方が早い」と考え、マイクロマネジメントに陥ったり、部下の仕事を奪ってしまったりするケースは少なくありません。

たとえばトップ営業出身の管理職が「自分で全商談に同席しないと不安」という状態になると、部下の成長機会が失われるだけでなく、管理職自身が現場業務に忙殺されて戦略立案・組織改善に時間を使えなくなります。結果として、売上もチームの能力も停滞するという悪循環に陥ります。

個人のエースであり続けることよりも、チームとして勝利する戦略を描き実行する能力が求められます。

営業以外の業務知識のなさが、組織全体のボトルネックになります

中古車輸出ビジネスは、営業活動だけでなく、仕入れ・物流・貿易実務・財務・法務といった多様な業務が複雑に絡み合って成立しています。営業担当者は販売プロセスに集中するあまり、これらの周辺業務に対する知識や理解が不足しがちです。管理職として部門全体を統括する立場になると、この知識不足が大きなボトルネックとなります。

たとえば、物流の遅延がキャッシュフローに与える影響や、為替変動のリスクを予測できず経営判断を誤るだけでなく、「なぜ船積みが遅れると利益が減るのか」が腹落ちしていないと、現場スタッフへの適切な指示も出せません。

バックオフィス側から「営業部門は現実を分かっていない」と不信を持たれ、部門間の溝が広がる事態も珍しくありません。

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【力①】「一台の利益」から「組織の利益」へ。視点を切り替えられるかが分岐点です

「売上を上げれば会社が良くなる」という感覚、プレイヤー時代は正しかったんですが、管理職になってからはそれだけでは足りません。

管理職に求められる最初の力は、個人の売上というミクロな視点から、組織全体の利益というマクロな視点へと切り替える経営管理能力です。一台一台の取引で高い粗利を確保する営業スキルも大切ですが、それ以上に、会社全体の資金繰りや在庫回転率、人件費を含めたコスト構造を理解し、持続的に利益を生み出す仕組みを構築する視点が欠かせません。この視点の転換こそが、優れた管理職への第一歩です。

キャッシュフローを読めない管理職は、黒字倒産のリスクを見落とします

中古車輸出ビジネスでは、車両の仕入れから販売・代金回収までに時間がかかり、多額の資金が在庫として滞留します。そのため、一台あたりの利益を最大化することだけを考えていては、資金繰りが悪化し、黒字倒産に陥るリスクさえあります。管理職は、在庫回転率を高め、売掛金の回収サイトを短縮し、為替変動リスクをヘッジするなど、会社全体のキャッシュフローを健全に保つための財務視点を持ってください。

在庫回転率の目安として、月次での回転を維持できていない車両は「滞留在庫」として利益を蝕むコストになります。国内では動きが鈍い車両でも、海外では需要が高い傾向がある車種は多く、滞留する前に輸出販路を活用することで数十万円単位で利益が変わるケースもあります。

目先の利益確保から、事業継続のための資金管理へ。意識のシフトが先です。

「勘と経験」だけでは、市場変化についていけなくなります

「俺の勘は外れたことがない」という方、正直に言います。それはプレイヤーとして正しいですが、管理職としては危うい状態です。

トップ営業は、自身の勘と経験を頼りに「売れる車」を見極める能力に長けています。ただ、管理職として組織を率いるには、個人の感覚だけに依存した戦略では限界があります。国別の販売データ・為替レートの推移・各国の輸入規制の動向・競合他社の価格設定など、客観的なデータを収集・分析し、論理的な根拠に基づいた販売戦略や仕入れ戦略を立案する能力が欠かせません。

たとえばアフリカ市場では燃費の良いコンパクトカーが需要を伸ばしており、中東では白・シルバー系のSUV人気が続く傾向があります。同じ車種でも輸出先によって価格差が出ることがあり、相場は数ヶ月で変わるケースもあります。データを読む習慣がない管理職は、こうした変化を見落とし、気づいたときには在庫が動かなくなっているという事態を招きます。

属人化した営業をチームの武器に変える。これが管理職の本当の仕事です

エース営業個人の能力に依存した組織は、その人物が不在になると機能不全に陥るリスクを抱えています。管理職には、自身の持つノウハウやスキルを形式知化し、誰もが一定の成果を出せるような仕組みを構築する力が求められます。効果的な営業トークを盛り込んだマニュアルの作成、顧客管理システム(CRM)の導入・運用、定期的な研修の実施などがその具体的な手段です。

「自分がいないと回らない組織」は、管理職としての失敗を意味します。

茶谷’s POINT
私が以前支援した会社では、トップ営業の感覚を新人がまねた結果、仕入れ上限や値引き判断にばらつきが出たことがあります。
そこで、国別の人気車種、最低粗利、船賃・検査費・陸送費を含めた上限価格をチェック表にまとめました。
管理職は、経験や勘を「同じ判断ができる基準」に変えることが重要です。

属人化が進むほど採用・育成コストが増大し、担当者の離職が即売上ダウンに直結します。

仕組み化できている組織は、新人でも一定の水準で成果を出せるため、スケールしやすいビジネスモデルを実現できます。

個人の技を組織の力に変え、持続可能なビジネスモデルを確立することが管理職の重要な役割です。

【力②】バックオフィスを甘く見たら、組織全体が止まります

「営業が数字を作れば、あとはついてくる」と思っていませんか。ただ正直なところ、管理職になってからその考えのままでいると、必ずどこかで大きなトラブルに直面します。

管理職に求められる第二の力は、営業部門だけでなく、物流・財務・仕入れといったバックオフィス業務の全体像を把握し、それらを統括する能力です。中古車輸出のビジネスモデルは、これらの部門が有機的に連携することで初めて円滑に機能します。営業の視点だけでは見えにくい業務の流れや課題を理解し、部門間の連携を最適化することで、組織全体の生産性とリスク対応能力が上がります。

船積みの遅延は、経営リスクに直結します

「物流は担当に任せておけばいい」と思いますよね。実は、それが管理職として最も危ない盲点のひとつです。

中古車輸出において、物流はビジネスの生命線です。船のスケジュール遅延や、ドバイなどの中継港での滞留は、顧客への納期遅延だけでなく、代金回収の遅れや保管費用の増大に直結し、経営上の大きなリスクとなります。

管理職は、複数の船会社やフォワーダーとの関係を構築し、トラブル発生時に備えた代替輸送ルートを確保しておく必要があります。また、輸出先の国ごとに異なる通関手続きや必要書類に関する正確な知識を持ち、スムーズな船積みをサポートする体制を整えなければなりません。

たとえばドバイの中継港での滞留が2〜3週間発生した場合、保管費・金利負担・顧客クレームが重なり、1件の取引で数万円以上のコスト超過になるケースもあります。代替ルートや複数フォワーダーとの関係構築は、コスト管理上も欠かせない施策です。

なお、輸出に関する手続きや制度の詳細は税関(Japan Customs)の公式サイトでも確認できます。

為替リスクと代金未回収、この2つを舐めると会社が危ないです

海外企業との取引が中心となるため、為替変動リスクと代金未回収リスクは常に存在します。急激な円高は輸出価格の上昇を招き、利益を圧迫します。一方、新興国などとの取引では、約束通りに代金が支払われないリスクも考慮しなければなりません。

管理職は、為替予約の活用や、信用状(L/C)取引・前払いといった決済条件の交渉を通じて、これらのリスクを最小限に抑える資金管理体制を構築する責任を負います。財務部門と連携し、会社の利益を守るための具体的な方策を講じてください。

実際の現場では、「バイヤーとの人間関係を優先して前払いを求めにくい」と感じるケースが多く見られます。しかし未回収が発生した場合、その損失を取り戻すには同等以上の取引を複数件成立させる必要があります。信頼関係と与信管理は両立できるものです。管理職としてルール化して現場に浸透させてください。

仕入れポートフォリオの設計を、感覚でやっていませんか

「売れそうな車を仕入れる」という感覚的な仕入れは、規制に引っかかった瞬間に損失に変わります。

市場の需要だけを見て仕入れを行うと、輸出先の輸入規制(製造年式・排ガス基準・ハンドル位置など)によって販売できなくなる事態が生じます。管理職は、各国の法規制に関する最新情報を常に把握し、市場のトレンドと規制の両面から「どの車種を、どの程度仕入れるべきか」という戦略的なポートフォリオを設計する必要があります。

これ、意外と知らない方が多くて、たとえば特定の国では右ハンドル車の輸入が禁止されており、知らずに在庫を積んでしまうと国内での値引き販売を余儀なくされ、一台あたり数十万円の利益損失に直結します。各国の最新規制はJETRO(日本貿易振興機構)の国別レポートが参考になります。

営業部門からの「売りたい車」のリクエストと、規制や採算性を踏まえた「売るべき車」のバランスを取り、効率的な在庫構成を維持する判断が、このビジネスモデルの根幹を支えます。


【力③】多様な人材をまとめる力がなければ、グローバル組織は崩壊します

「うちのチームは外国人スタッフもいるし、なんかうまくいかない」と感じている方、その感覚は正しいです。でも、それは「人の問題」ではなく「マネジメントの設計の問題」である場合がほとんどです。

管理職に求められる第三の力は、国籍や文化・専門分野の異なる多様な人材をまとめ上げ、一つの目標に向かわせるグローバルな組織運営能力です。海外の現地スタッフやバイヤー、国内の事務・物流担当者など、様々な立場の関係者と円滑なコミュニケーションを図り、組織全体のパフォーマンスを最大化することが求められます。個人の力で成果を出すのではなく、チームの力を引き出すリーダーシップこそが、変化の激しい市場で勝ち残るビジネスモデルを支えます。

「日本の常識」を押しつけると、海外スタッフは黙って離れていきます

「なんでこっちの意図が伝わらないんだろう」と感じた経験はありますか。実は、それは相手の問題ではなくコミュニケーション設計の問題です。

海外の現地スタッフや顧客との間には、言語だけでなく、文化や価値観・ビジネス習慣の違いが存在します。日本の常識が通用しない場面も多々あります。管理職は、一方的に指示を出すのではなく、相手の文化を尊重し、対話を通じて相互理解を深める姿勢が欠かせません。

たとえば中東・アフリカ系のバイヤーとの交渉では、即答を急かす姿勢が関係悪化につながるケースがあります。一方で、東南アジアのスタッフに対して「察してほしい」という日本式コミュニケーションをとると、意図が伝わらず業務ミスが多発するケースも見られます。文化ごとのコミュニケーション特性を理解した上で関わることが信頼構築の第一歩です。

個人の成果を正当に評価し、キャリアパスを示すなど、モチベーションを高めるための働きかけも忘れずに。画一的なマネジメントではなく、一人ひとりの背景を理解した上でコミュニケーションをとることが信頼関係の構築につながります。

「営業が勝手に納期を約束してきた」は、管理職の設計ミスです

「部門間でいつも揉める」という状況、実はほぼ管理職の仕組みの問題です。

営業部門が受注した契約を確実に履行するためには、国内の物流部門や船積書類を作成する事務部門との密な連携が欠かせません。営業担当者は時に自部門の都合を優先しがちですが、管理職は会社全体の視点に立ち、各部門の業務プロセスや課題を理解する必要があります。他部門の業務に関する知識を持ち、無理のないスケジュール調整や的確な情報共有を行うことで、部門間の対立を防ぎ、円滑な協力体制を築いてください。

「営業が勝手に納期を約束してきた」「書類の不備で船積みが遅れた」――こうした部門間トラブルは、管理職がルールと情報共有の仕組みを設計することで大幅に減らせます。週次の進捗共有ミーティングや、船積み確認チェックリストの標準化といった地味な施策が、実はキャッシュフロー改善に直結します。

ITツールの導入は「コスト」ではなく、「人依存リスクを買い取る投資」です

属人的な業務運営から脱却し、組織として効率的に機能するためには、ITツールの活用が欠かせません。顧客情報や商談履歴を一元管理するCRM、在庫情報をリアルタイムで共有するシステム、国境を越えたコミュニケーションを円滑にするチャットツールなどを導入し、業務プロセスを標準化してください。これにより、情報の属人化を防ぎ、担当者が変わっても業務が滞りなく進む体制を構築できます。

こうした仕組み作りが、スケーラブルなビジネスモデルの基盤となります。ITツールの導入はコストではなく「人に依存するリスクを買い取る投資」と捉えてください。実際に、CRM導入後に商談の取りこぼしが減り、担当者交代時の顧客離脱が大幅に減少した事例も多く見られます

よくある質問:管理職へのステップアップで迷ったら

Q. 管理職になっても、プレイヤー時代の営業スキルは役立ちますか?

はい、役立ちます。ただし、その活かし方が変わります。自身の営業スキルは、部下の育成やOJTでの指導・難易度の高い商談のクロージング・重要顧客との関係構築といった場面で効果を発揮します。

重要なのは「自分が売るために使うのか、チームが売れるようにするために使うのか」という意識の違いです。前者はプレイヤー、後者がマネージャーです。自身の経験を「再現可能な形に言語化して伝える力」こそが、管理職として最も価値ある営業スキルの活用法です。

Q. 財務や物流の知識がありません。何から学べばいいですか?

まずは社内の経理や物流担当の専門家から学ぶのが最も効率的です。日常業務について質問し、実務の流れを教えてもらうことから始めましょう。並行して、貿易実務や財務会計に関する入門書を読んだり、関連セミナーに参加したりするのも役立ちます。

特に貿易実務については、日本貿易実務検定(B級・C級)や通関士資格の学習テキストが体系的な知識習得に役立ちます。「完全に理解してから動く」のではなく、「現場で質問しながら覚える」姿勢が最短ルートです。

Q. 管理職には高い英語力が必須になりますか?

必ずしも必須ではありませんが、より高いレベルの英語力があれば業務の幅が広がります。特に海外のパートナー企業との交渉や契約・現地スタッフのマネジメントなど、複雑で繊細なコミュニケーションが求められる場面で有利に働きます。

ただ正直なところ、実際の現場では完璧な英語より「明確な意思と交渉意図を伝える力」の方が重要と判断されるケースが多いです。ビジネス英語の定型表現と、契約・決済に関する専門用語を優先的に習得することが実務への近道です。

UCARWORLDが選ばれる理由

中古車輸出において、「販路があっても使い方が分からない」「どの国向けに何を売れば良いか判断できない」という声は、管理職になったばかりの担当者から特に多く聞かれます。

UCARWORLDは、世界100か国以上への販路を持つグローバル中古車マーケットプレイスとして、単なる掲載プラットフォームにとどまらず、輸出初心者から組織拡大フェーズの企業まで、段階に応じたサポートを提供しています。

私はトレードカービュー(現TCV)の立ち上げに関与し、1,000社以上への輸出コンサルティング、楽天での越境EC経験、カーペイディーエム創業と豊田通商グループへのM&A経験を経てきました。机上の理論ではなく、現場で積み上げた知見をもとに、個社ごとの課題に即した提案が可能です。

特に以下のようなケースで相談が多く寄せられています。

  • 国内在庫の滞留車両を海外販路で動かしたい
  • 管理職として輸出部門を立ち上げたいが、何から始めれば良いか分からない
  • 商用車・トラック・建機など、一般の輸出プラットフォームでは対応が難しい車種を扱いたい
  • 既存の輸出先に加えて、新規市場を開拓したい

同じ車種でも輸出先によって価格差が出ることがあり、適切な販路と戦略があれば利益率の改善は十分に狙えます。まずは現在の在庫状況や販売課題をお聞かせください。

まとめ:トップ営業の経験を、組織を動かす力に変えてください

中古車輸出ビジネスでトップ営業として活躍した経験は、管理職にとって大きな強みとなります。しかしその成功体験に固執し、個人のプレイヤーであり続けることは、組織の成長を妨げる要因にもなり得ます。

求められるのは3つの力です。個人の売上から組織全体の利益へと視点を切り替える経営管理能力、ビジネスモデル全体を俯瞰し統括する力、そして多様な人材をまとめ上げる組織運営能力。

この3つはそれぞれ独立したスキルではなく、相互に連動しています。財務視点がなければ物流コストの判断ができず、組織運営能力がなければデータ分析の結果を現場に落とし込めません。管理職としての成長は、この3つを同時進行で鍛えることで加速します。

自身の経験を組織の力へと昇華させ、チームを勝利に導く管理職を目指してください。

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