💡 この記事でわかること
- 全体平均が横ばいでも年式帯で向きが割れている理由
- 車種区分ごとの買取相場帯と、価格に幅が出る条件
- 公開されている相場値と実際の成約額がズレる仕組み
- 在庫の持ちコストと下落スピードから決める売り時
- 国内で値が落ちた車に海外で値が付く場面と出口の作り方
結論から書きます。人気車種の査定額の推移は、2026年9月時点では全体平均だけ見るとほぼ横ばいです。
ところが中身は割れています。高年式が下げて、経年6〜8年が上げている。逆を向いた動きが打ち消し合って、平均が動いていないように見えているだけです。
平均の数字を見て「相場は動いていない」と判断すると、売り時を外します。自分の在庫が高年式中心か、7〜8年落ち中心かで、打つ手はまるで変わります。
この記事では、査定額の推移をどう読むか、公開されている買取相場の価格帯に幅が出る理由、そして国内で値が落ちた車の出口をどこに置くかまで書きます。
人気車種の査定額、いまどう動いているか先に言います
全体平均はほぼ横ばい、でも中身は割れている
9月13日〜19日の週を集計した週次の相場データでは、査定11,415件で平均売却予想額が約116万円、前週比は99%でした。
数字だけ見れば1%の下げです。「今週はほとんど動いていないな」で終わらせたくなる数字ですよね。
ただ年式別に割ると、話が変わります。1〜4年落ちは下げ、6〜8年落ちは上げている。逆向きの動きが相殺されて、平均が横ばいに見えているだけです。

全体平均は、いろいろな年式・車種をまとめて均した数字です。自分の在庫が高年式中心なのか、7〜8年落ち中心なのかで、読むべき数字がまったく違ってきます。
だから最初にやるのは、在庫台帳の並べ替えです。年式帯ごとに台数と仕入れ値を出しておく。それだけで、週次のニュースに振り回される回数が減ります。
平均だけを見て売り時を決めると、年式帯ごとに逆を向いた動きを丸ごと見落とします。
週次の数字をどこまで信じるか
こうした公開値は、多くがオートオークションの落札予測をもとにした平均値や予測値です。店頭で実際に提示される買取額や下取り額とは、別物として扱ってください。
週次の変動率は、出品台数がちょっと偏るだけで動きます。大口の業販が重なった週、連休で開催が減った週。1週で数%振れたからといって、相場が転換したとは言えません。
週次は「方向を確認する道具」です。仕入れ値と売却タイミングの判断は、月単位と年式別で見たほうが外しません。
自社の在庫がどの年式帯に寄っているか、海外に回せる余地があるか。ここが曖昧なままなら、一度ご相談ください。お手元の在庫車両について、輸出できる可能性の診断もお受けしています。

人気車種の査定額の目安|車種区分ごとの買取相場帯
自分の在庫と突き合わせられるように、公開されている相場表の価格帯を車種区分でまとめます。断りのない行は2021年式・走行5万km前後の条件です。
| 車種区分 | 条件 | 公開相場の価格帯 |
|---|---|---|
| ミニバン(大型・最上級クラス) | 2021年式・5万km前後 | 約256〜538万円(上限で700万円台の表示も) |
| ミニバン(ミドルクラス) | 2021年式・5万km前後 | 約153〜395万円 |
| ハイブリッド乗用車(定番モデル) | 2021年式・5万km前後 | 約124〜350万円 |
| SUV(本格クロカン系) | 2021年式・5万km前後 | 約305〜483万円(新型系は800万円台の上限表示も) |
| 軽自動車(人気ハイトワゴン) | 2021年式・5万km前後 | 約57〜141万円 |
| 商用バン | 条件は集計元により異なる | 上限で380万円台の表示 |
ミドルクラスのミニバンはグレード差だけで100万円以上動きます。ハイブリッド乗用車も、集計元によって幅がかなり違って出ます。
軽自動車は問い合わせ件数が多い一方で、単価そのものは低い区分です。人気と単価は別の話として見てください。同じ手間をかけるなら1台あたりの粗利がどれだけ残るか、そこまで含めて比べたいところです。
商用バンは、乗用車と値の付き方がそもそも違います。国内では過走行で敬遠される個体でも、現地では現役の商売道具として見られる。この感覚の差は、アフリカ向けディーゼル車の人気車種と規制を扱った記事でも書いています。
同じ車種でも価格帯に幅が出る理由
「約153〜395万円」と書かれていても、この幅の上側に乗る車と、下側に落ちる車があります。ここを比べないまま上限を当てにすると、必ず期待外れになります。
- 上側に寄る車:上級グレード、白・黒の定番ボディカラー、修復歴なし、走行が年1万km以内、装備が揃っている
- 下側に落ちる車:廉価グレード、個性的な色、修復歴あり、過走行、内外装の傷みが大きい
見積もりは上限ではなく、幅の下限側を基準に立ててください。上限は「条件が全部そろった1台の話」として扱うのが現実的です。
現場で多いのは、ネットで見た上限値を先にお客さんへ伝えてしまうケースです。実車を見てから金額を下げると、差額の話より先に信用が削れます。次の1台も、紹介も、そこで止まります。
リセールバリューを考えて仕入れるなら、この幅のどちら側に寄る車を買っているのかを、仕入れの瞬間に決めている自覚を持つところからです。
年式で推移の向きが分かれます。ここを見落とすと判断を誤る
1〜4年落ちは下げ、6〜8年落ちは上げている
9月19日集計の年式別データを見ると、1年落ちが約373万円、2年落ちが約322万円、4年落ちが約215万円で、いずれも前週から下げています。
一方で6年落ちが約169万円、7年落ちが約148万円、8年落ちが約115万円と、こちらは上げています。
同じ週の同じ集計で、向きが逆なんです。「えっ、じゃあ相場は上がってるの、下がってるの?」と思いますよね。答えは「年式帯によって違う」です。
もうひとつ頭に置いておきたいのが、海外側の事情です。国によっては輸入できる年式に線が引かれていて、その線の手前の年式に引き合いが集まることがあります。国内の相場表には、そこまでは書かれていません。
経年別の平均額と走行距離の関係
年式が1年進むごとに、平均額は階段状に落ちていきます。1年落ちの約373万円から、6年落ちで約169万円。16年落ち以上は約25万円で、こちらも下げています。
落ち方が急なのは前半です。高年式は下げ幅そのものが大きいので、1週間の動きでも金額に換算すると数万円単位で効いてきます。
走行距離も同じ線で効きます。年1万kmが一つの目安として使われるので、年式が新しくても距離が伸びている車は、その時点で下側の評価に寄せられます。
6〜8年落ちは金額の絶対値が小さいぶん、下げても上げても幅が小さい。ここが上げているというのは、その年式帯を欲しい買い手が実際に動いているということです。
低年式帯が全体の件数を押し上げている構図
16年落ち以上の査定件数シェアは15%台まで上がっています。金額は約25万円で下げているのに、持ち込まれる台数は増えている。
件数が増えて単価が下がる年式帯が全体平均を押し下げ、6〜8年落ちの上昇が押し上げる。だから平均は横ばいに見えます。
売り時の判断も年式帯ごとに分かれます。高年式は下げ続けている局面なので、寝かせるほど目減りする。6〜8年落ちは相場が向いているタイミングなら、そこで出し切る判断がしやすい年式です。
ここは在庫回転率の話でもあります。下げている高年式を3か月抱えるのと、動いている年式帯を2回転させるのと、期末にどちらが多く残っているか。並べてみると、粘る理由はだいたい消えます。
査定額が動く要因、仕入れ判断に落とすとこうなります
需要と供給、新車価格と納期
中古車相場の高騰が語られるときの土台は、いつも需要と供給です。新車価格が上がり、納期が読めない期間が長くなると、すぐ乗れる中古車に需要が寄ります。
逆に新車の供給が戻って納期が短くなると、高年式の中古車から順に値が緩みます。いま高年式が下げているのを、この線で見ている人も多いはずです。
ただ、先行きを言い切るのは避けたほうがいい。上がる理由と下がる理由が同時に並んでいる局面では、方向を当てにいくより、年式帯ごとに手を打つほうが損が小さくなります。
決算期や需要期といった季節の波
3月の決算期と9月の中間決算期は、買取が強まりやすい時期として知られています。9月の相場を見るときは、この要素も混ざっている前提で読んでください。
販売側の需要期は1〜3月。就職・進学・転勤で動く時期なので、ファミリー向けのミニバンや軽自動車の引きが強くなります。季節で売れる車種も変わり、SUVは寒くなる時期に動きやすい。
ただし、月が来れば一律に上がるわけではありません。その時点の在庫状況次第で、決算期でも動かない車種は動きません。「決算期だから待つ」は、理由になっていないことが多いです。
車両側の条件で落ちるところ
年式・走行距離・グレード・ボディカラー・修復歴。この5つで価格帯のどちら側に着地するかが決まります。
現場で多い失敗は、節目の走行距離を超えてから査定に出すケースです。5万km、10万kmといった区切りをまたぐと、査定表の段が1つ落ちます。
数百km手前で出しておけば済んだ話が、数万円の差になって返ってくる。社用車や試乗車をそのまま使い続けて、気づいたら節目を超えていた、というのもよくある形です。
対策は単純で、社内で走らせている車のメーターを月1回控えておくだけ。これをやっている会社は、出すタイミングで慌てません。
相場推移の調べ方と、公開データの限界
匿名の相場ツールと一括査定の使い分け
相場の当たりを付ける段階では、匿名で使える相場ツールで年式別の水準を押さえる。ここでは電話が鳴らないので、複数車種の比較に向いています。
実際の金額を取りにいく段階では一括査定です。ただし査定額の推移を調べたいだけの段階で使うと、連絡対応に時間を取られます。
順番としては、匿名ツールで水準をつかみ → 年式別の推移で方向を確認し → 一括査定やオークションで実勢をつかむ。この順番が現実的です。
販売価格から買取額を逆算する
小売の販売価格から逆算する方法もあります。一般的には販売価格の5〜7割あたりが買取の目安として語られます。
7割側に寄るのは回転が速い人気車種。5割側に寄るのは、整備や板金にコストがかかる車、売るまでに時間がかかる車です。
この逆算は、自分の店の在庫を「いま売ったらいくらか」で並べ替えるのに使えます。帳簿の仕入れ値ではなく、今日の値で並べる。ここを月1回やるだけで、判断が早くなります。
公開値と実際の成約額がズレる理由
公開されている買取相場は予測値・平均値です。実車の状態、地域、その週の出品台数で振れます。
同じ車でも、需要がある地域とない地域で差が出ます。降雪地の四駆、都市部の小型車のように、地域の事情が金額に乗ります。
だから公開値は「現在地の確認」に使い、上限値を当てにしない。ここを守っているだけで、社内の期待値のズレはかなり減ります。
在庫の持ちコストと下落スピードを突き合わせる
販売店側でいちばん効くのはこの計算です。1台を1か月寝かせるコスト(資金、置き場、保険、車検の残り、販促)と、その年式帯の1か月あたりの下げ幅を並べます。
下げ幅が持ちコストを上回っているなら、待つ理由はありません。在庫回転率を落としてまで粘る価値があるのは、相場が上を向いている年式帯だけです。
高年式の下落局面で「もう少し高く売れるはず」と粘った在庫が、3か月後に粗利ごと消えている。これ、毎年どこかで起きています。
茶谷's POINT 「来月まで待つか、今週出すか」で迷ったとき、私はまず年式帯の向きを見ます。高年式で下げているなら、持ちコストを計算するまでもなく今週出す。粘ると粗利より先に資金の回転を失います。在庫を年式帯で並べ替えてみてください。

国内相場が落ちた車がどこで値を持つか。ここで差が出ます
高走行・低年式でも評価される国がある
「高走行=売れない」という国内の見方は、いったん外してください。海外の市場では、走行距離より先に耐久性、部品の供給状況、現地で整備できるかが見られる場面があります。
10万kmを超えた時点で国内の査定表が段を落とす車でも、現地では「これから10万km走る車」として評価されることがあります。国内の下落カーブと海外の評価軸は、同じ線に乗っていません。
トレードカービューを立ち上げたころから、国内で値が付かない車が海外で普通に商談になる場面を何度も見てきました。相場表の数字だけを見ていると、この差は見えません。
国ごとに好まれる車種・装備が違う
海外輸出需要は国別にはっきり分かれます。商用バンやトラック、建機の引きが強い国、四駆でなければ話にならない国、白系のボディカラーが好まれる市場もあります。
右ハンドルを受け入れるかどうか、年式の規制があるかどうかでも、狙える国が変わります。たとえばタンザニアの年式規制と税金の仕組みのように、年式ひとつで現地の税負担が変わる国もあります。各国の輸入規制はJETROが公開している国別情報で当たりを付けるのが早いです。
ハイブリッドやEVは、現地の整備体制や電源事情で評価が分かれる領域です。車種別・国別の値の付き方は、SUV輸出の人気車種ランキングと国別需要のほうで詳しく整理しています。
乗用車中心の相場表では、商用車や建機の動きはほとんど見えません。ここは国内相場と別のルールで動いている、と思っておいてください。
長期在庫車の出口をどこに置くか
出口が国内オークションの1本だけだと、相場が下を向いた瞬間に打ち手がなくなります。年式別の推移で自分の在庫の不利を確認したら、次は出口を増やす話です。
国内で下げている年式帯の車が、海外では取り合いになっていることもあります。売り先の選択肢が2本あるだけで、値を追いかけずに決められます。
何から手を付ければいいか分からないという方は、中古車輸出ビジネス完全ガイドに準備の順番をまとめてあります。書類や許認可まわりは、先に読んでおくと迷いません。
海外販売を考えている方は、気軽に相談してください。掲載をご希望の販売店さんも、いま抱えている長期在庫の相談から入っていただいて構いません。

人気車種の査定額推移によくある質問
車は1年でどれくらい査定額が下がりますか
新車価格との比較では、1年で約3割、3年で約4.5割、5年で約6割という目安がよく使われます。
あくまで目安です。車種と年式帯によって下がり方は変わり、いまのように6〜8年落ちが上げる週もあります。
査定額が上がりやすい時期はいつですか
1〜3月の需要期と、3月・9月の決算期前後が挙げられます。
ただ月が来れば一律に上がるわけではありません。その車種の在庫が市場にだぶついていれば、決算期でも金額は動きません。
ネットの買取相場はそのまま信じていいですか
落札予測の平均や統計上の予測値なので、実車の状態・地域・時期で変わります。
見積もりは幅の下限側で立てておく。上限値を前提に話を進めると、商談の場で必ず食い違いが出ます。
走行距離が多い車はもう値が付きませんか
国内相場では落ちます。ただし海外では、走行距離より車種そのものの耐久性や部品供給を見る市場があります。
国別の需要差が大きい領域なので、国内の査定額だけで見切るのは早いです。
相場の推移はどの間隔で見ればいいですか
週次は振れが大きいので、方向の確認用に。前週比だけで判断すると振り回されます。
仕入れと売却の判断は、月単位の動き(前月比)と年式帯別の推移を突き合わせるのが現実的です。
あわせて読みたい
この話題の中心の記事
同じ話題の記事
UCARWORLDが選ばれる理由
国内の査定額の推移だけを追っていると、在庫の出口がどうしても1本になります。相場が下を向いた週に、粘るか投げるかの二択しか残らない。この苦しさは、売り手側で相場の上げ下げを経験した人ほど分かるはずです。
私はトレードカービューの立ち上げに関わり、そのあと自分でオンラインの中古車輸出会社(カーペイディーエム)を創業して、豊田通商グループへM&Aしました。相場が急に動く局面を、売る側の立場で何度もくぐってきました。
そこで分かったのは、国内で値が落ちた車の行き先は必ずどこかにあるということです。UCARWORLDは世界100か国以上へつながるマーケットプレイスで、乗用車だけでなく商用車・トラック・建機にも対応しています。国内の相場表では拾いにくい車ほど、海外で評価が付くことがあります。
販売するのは加盟いただいた販売店です。私たちは販路と集客の仕組み、そして海外販売が初めての加盟店への支援を用意しています。長期在庫車の出口づくりは、得意な領域です。
海外販売を考えている方は、気軽に相談してください。掲載をご希望の販売店さんからのお問い合わせもお待ちしています。いまお持ちの在庫車両について、輸出できる可能性の診断もお受けしています。
経歴
- カービューにて中古車輸出プラットフォーム「Tradecarview(現TCV)」を立ち上げ
- 中古車輸出未経験企業を含め、1,000社以上の輸出支援を実施
- 楽天グループにて海外EC展開・越境販売を推進
- 中古車輸出企業「カーペイディーエム」を創業し、豊田通商へ事業売却(M&A)
- 中古車輸出プラットフォームの立ち上げ・海外展開・M&Aを経験
- 現在はUCARWORLD(中古車輸出モール)の運営に携わり、出店企業様のモール上での販売をサポート