日本の中古車は品質の高さから海外で根強い需要があり、個人や法人の新たな事業として注目を集めています。
しかし、いざ起業を検討するとどの手法を選べばいいのか、手続きをどこに任せるべきかと迷う方も少なくありません。
本記事では、中古車輸出の代表的なビジネスモデルを徹底比較し、自社の資金力やリソースに合った最適なパートナー企業を見極めるための基準を詳しく解説します。
本記事は、トレードカービュー(現TCV)立ち上げ関与・1,000社以上への輸出コンサル実績を持つ茶谷信明の現場経験をもとに構成しています。机上論ではなく、実際の取引現場で起きたことをベースに解説しますので、ぜひ参考にしてください。
中古車輸出ビジネスは本当に儲かる?現状と参入前に知るべき課題
日本の中古車ビジネスは、円安の影響により品質が高いにもかかわらず割安に見える状況が続いており、新興国での高い人気を背景に、世界的な需要は引き続き堅調に推移しています。
特にアフリカや東南アジアでは、走行距離が10万キロ以上、時にハイエースやトラックの場合は50万キロ以上過走行でも、ちゃんと走れて、故障しにくい日本製の中古車が高値で取引されるため、確かな収益性が期待できる市場です。
財務省の貿易統計によると、日本からの中古自動車輸出台数は年間100万台超の水準で推移しており、アフリカ・中東・東南アジア向けが全体の大半を占めています。参入検討時にはJETROの中古車輸入規制情報も合わせて確認しておくと、国別の規制リスクを事前に把握できます。
特に近年は円安が定着しつつある中で、海外バイヤーからの引き合いが増えており、「国内で売れ残っていた車両が、海外では1〜2週間で売れた」という事例が当社の掲載店舗でも増えています。長期在庫車の出口戦略として輸出販路を持つことは、在庫回転率の改善にも直結します。
一方で、参入にあたっては言語の壁や複雑な輸出手続き、現地の法律変更といった課題も存在します。
これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが事業成功の鍵となります。
各ビジネスモデルの利益率の具体的な目安については、中古車輸出の利益率は?1台あたりの粗利と儲かるビジネスモデルを解説もあわせてご覧ください。収支シミュレーションが具体的にイメージできます。
【事業モデル別】中古車輸出ビジネスの3つの主要な進め方
中古車を海外へ販売する手法は、大きく分けて3つのパターンに分類されます。
それぞれのモデルには資金面や労力の負担において異なる特徴があり、どれを選択するかで輸出ビジネスの方向性が決まります。
各モデルの具体的な仕組みや特徴は以下の通りです。
どのモデルを選ぶかは、「初期資金の規模」「1台あたりに使える時間・人員」「リスク許容度」の3点で判断するのが現場でよく使われる基準です。以下の比較を参考にしてください。
在庫リスクを抑えて始められる「オークション代行型」
海外のバイヤーから注文を受け、要望に合った車両を国内のオークションで落札して輸出する手法です。
このBtoB向けのモデルは、注文が入ってから仕入れを行うため、車両の在庫を抱える心配がありません。
売れ残りによる値崩れや保管コストが発生せず、限られた資金でも安全に中古車販売の事業をスタートできる点が大きな特徴です。
事前にバイヤーと手数料を取り決めて取引を進めるため、価格変動の波に飲まれにくく、安定したペースで事業を回すことが可能になります。
オークション代行型に必要な主な初期費用の目安は、古物商許可申請費用(約19,000円)+オークション会員登録費用(数万〜十数万円程度)+運転資金(最低でも100〜200万円程度)です。在庫を持たないモデルとはいえ、一時的な立替が発生するため、資金繰り計画は必須です。
オークション代行型のメリット:少ない資金で事業を開始できる
最大の利点は、初期投資や運営資金を大幅に圧縮できることです。
一般的な販売事業のように展示場を用意する必要がなく、駐車場の賃料や維持費といった固定費を削減できます。
注文を受けた分だけ買い付ける仕組みにより、手元の資金が車両という在庫に変わって身動きが取れなくなる事態を防げます。
少人数や個人事業主であっても、パソコンとインターネット環境さえあれば全国のオークション会場から仕入れができ、スピーディーにビジネスを展開できる点が魅力です。
オークション代行型のデメリット:1台あたりの利益が薄い
手堅い反面、落札代行の手数料を収益の柱とするため、1台あたりの利益率が低くなりがちです。当社が以前取引していた販売店では、1台5000円から15000円の薄利で行っていた会社さんもありました。
もちろん、車両価格によって利益は変えていくわけですが、高額な車両を販売しても得られる報酬は一定額に留まることが多く、まとまった利益を出すには取引件数をこなす必要があります。
消費税還付については実務上の注意点があります。輸出免税として消費税が戻ってくるのは輸出許可が下りた後の申告タイミングとなり、実際には3〜6ヶ月のタイムラグが発生するケースが多いです。月間10台・仕入れ単価100万円の規模でも、消費税分だけで数百万円が一時的に手元から消えます。資金繰り表を月次で管理しないと、黒字倒産に近い状態になることもあります。
さらに、消費税やリサイクル預託金は仕入れ時に一時的に立て替える仕組みとなっており、輸出後に還付されるまで数ヶ月のタイムラグが生じます。
販売代金の回収が遅れると資金繰りが悪化する恐れもあるため、十分な運転資金の確保が不可欠です。
オークション代行型のデメリット:キャンセルリスクがある
中古車オークションに車が出されてから商談の時間が短いため、資金を回収する前に、中古車購入を決める場合はあり、顧客との信頼が大前提となります。
時には、海外の顧客の前にもお客様がいらっしゃる場合もあり、時にはキャンセルされる場合もあるでしょう。また、オークションでの車両情報を見逃したり、それを顧客に伝えずオークションから購入に至り、購入後に、例えば異臭や、車内の汚れなどを伝え、キャンセルに至る可能性は低くないでしょう。オークション購入後の国内でのキャンセルは難しく、また出品したとしても、同じ金額やそれよりも高値で売れるとは限りません。キャンセルリスクに関しては十分に理解し、相場よりも高額すぎる値段での購入は控えましょう。
キャンセルリスクを減らすために実務で有効なのは、「バイヤーとの事前合意書(Purchase Agreement)の取り交わし」と「手付金(デポジット)の先受け取り」です。実際の現場では、デポジットを受け取っているだけでキャンセル率が大幅に下がるケースが多く見られます。書面・デポジットなしの口約束だけで落札するのは、特に新規バイヤーとの取引では危険です。
茶谷’s POINT
以前に私が担当した中古車輸出会社さんは、台当たりの利益を15,000円としていた会社もあり、為替リスクやガソリンや陸送費の高騰などで、数か月間利益がでないなんてことがあったという話をしていました。 ヤード保管料がかからないうちに、売りにくい車両は安売りしたり、イベントにあわせてキャンペーン価格を打ち出したり、車両によってばらつきがあるのは仕方がないですが、1台ずつ着実に利益を確保することはとても大切です。

高い利益率が期待できる「海外EC・ポータルサイト掲載型」
インターネット上の販売プラットフォームを活用し、世界中の個人消費者に直接車両を販売するBtoCのモデルです。
自社のECサイトを構築するほか、すでに海外からのアクセスを集めている大手ポータルサイトに在庫を掲載する方法が含まれます。
現地の販売店を通さずにエンドユーザーと直接取引を行うため、中間マージンを省くことができます。
これにより、オークション代行と比べて圧倒的に高い利益率を確保できるのがこの手法の強みとなっています。
利益率の差は具体的に、オークション代行型が1台あたり1〜5万円程度の粗利となることが多いのに対し、ポータル経由のBtoC販売では同じ車両でも10〜30万円以上の粗利を確保できるケースがあります。国内では評価の低い10年落ち・10万キロ超の車両でも、アフリカやパキスタン向けには高値がつく傾向があり、この「国内評価と海外評価のギャップ」を活かすことが利益率改善の核心です。
海外EC・ポータルサイト掲載型のメリット:世界中の顧客に直接販売できる
国境を越えてあらゆる地域の消費者にアプローチできる点が最大の魅力です。
国内市場では価値がつきにくい低年式車や過走行車であっても、海外の特定地域では非常に需要が高く、予想以上の高値で売れるケースも珍しくありません。
ポータルサイトの集客力を活用すれば、自社でゼロから顧客を開拓する手間を省きつつ、幅広い国籍のバイヤーと直接の交渉を行えます。
市場のニーズに合わせた柔軟な価格設定ができ、輸出ビジネスの醍醐味を存分に味わえる手法と言えます。
中古車輸出企業でのSEO対策は非常に難しいですが、ポータルサイトは多数の加盟店と取引していることが多く、マーケットも多数に及ぶため、各国にあったマーケティング施策をしていることが多く、集客力が最大のメリットです。
国別の需要傾向として参考にしていただきたいのは、ケニア・タンザニアなどの東アフリカではトヨタ・ハイエースやランドクルーザーの需要が特に強く、UAEでは日本車の程度の良い車両がリセールを目的に買われるケースが多い点です。また、ニュージーランドやカリブ海諸国では右ハンドル車が使えるため、日本仕様の車がそのまま売れます。輸出先の選定段階からポータルサイトの担当者に相談することで、より高値がつく市場に絞った販売戦略を立てることができます。詳しくは中古車輸出の国別マーケット状況もご参照ください。
海外EC・ポータルサイト掲載型のデメリット:集客や在庫管理の負担が大きい
エンドユーザーに直接販売するためには、車両をあらかじめ仕入れて「在庫」として保有することもあるでしょう。売れるまでに時間がかかれば、保管場所のコストや車両の価値低下といったリスクを負うことになります。車両を管理する乙仲業者とは、ヤードの保管料を数か月一定にしていただくことや、港から少し遠くても安いヤードを選ぶなど、経営する上でのノウハウや営業力が必要なことがあります。
また、世界中の顧客から寄せられる問い合わせへの対応や価格交渉など、商談にかかる時間と労力も認識しておきましょう。
ヤード保管料の目安は1台あたり月1〜3万円程度(港の近隣エリア)で、これが10台・3ヶ月になると単純計算で30〜90万円の固定コストになります。在庫回転が遅いと保管コストが利益を食いつぶすため、「何ヶ月売れなかったら値下げする」というルールを事前に決めておくことが在庫管理の基本です。
それでも、自社サイトで販売する場合は集客のためのマーケティング費用も必要であり、経営全体の手腕が問われるハードルの高い側面を持っているため、どちらがよいのかは天秤にかける必要があります。ECサイトやポータルサイトを利用する際には、世界中への販売実績があり、各乙仲業や、船会社と関係性の深い、相談に応じてくれるサイトを選ぶことも重要です。
初めて輸出に取り組む国内の中古車販売店にとって、一括サポート型は「まず輸出取引の流れを体感する」という意味で有効な入口です。ただし、丸投げのまま数年経過すると、いざ自社で販路を拡大したいときに「輸出書類が書けない」「バイヤーとの直接交渉ができない」という状態になるケースがあります。サポートを受けながらも、担当スタッフが少しずつ実務を覚えていく体制を意識的に作ることが大切です。
専門知識がなくても安心な「一括サポート・代行委託型」
車両の仕入れから通関、船積み、さらには現地での引き渡しに至るまでの煩雑な業務を、すべて専門業者に丸投げできるモデルです。
輸出に関する書類作成や各国の法規制への対応など、高度な知識が求められる部分をプロに任せることができます。
自社で行うのは資金の準備や大まかな方針決定にとどまるため、貿易の経験がない異業種からの参入でもスムーズに事業を開始できます。
人的リソースが不足している企業にとっても、非常に魅力的な選択肢となります。前述のECサイト、ポータルサイトの中でもこのように一括で請け負い、または一部請け負っていただけるモデルもありますので、自社にあった取引先を選べるように、十分な検討が必要です。
一括サポート・代行委託型のメリット:複雑な手続きをすべて任せられる
最大の長所は、輸出特有の面倒な実務から解放されることです。
船の予約や税関への申告、専門用語が飛び交う貿易書類の作成などを自社で行う必要がなくなり、大幅な業務効率化を実現できます。
トラブルが発生しやすい輸送中の保険手配なども代行業者がカバーするため、初めて起業する方でも心理的な負担を軽減できます。
本業を持ちながら副業として始める場合や、新規事業として少ない人数で立ち上げる場合でも、無理なく貿易業務を回すことが可能です。
一括サポート・代行委託型のデメリット:手数料がかかりノウハウが蓄積しにくい
手厚いサポートを受けられる分、代行業者に支払う費用がかさみ、最終的な利益は小さくなります。
業務の大部分を外部に依存するため、自社内に貿易事務や海外バイヤーとの交渉といった実務のノウハウが残らないのも大きな懸念点です。
将来的に自社のみで事業を拡大したいと考えた際、基礎的な知識が不足していて身動きが取れなくなる恐れがあります。
長期的な経営の視点で見ると、コストとスキルのバランスをどう取るかという課題が残る手法です。
代行費用の相場感として、1台あたりの通関・輸送代行コストは車両サイズ・仕向け地によりますが、数万〜十数万円程度が一般的です。これが利益の中からどれだけ占めるかを、取引開始前に必ずシミュレーションしておくことが重要です。「依頼したら思ったより手元に残らなかった」というケースは、初参入の販売店に多いトラブルの一つです。
自社に最適なパートナー企業を見つけるための5つの選定基準
複雑な輸出手続きを円滑に進めるためには、信頼できる提携先の存在が欠かせません。
数ある代行業者やプラットフォームの中から、自社の戦略に最も適した相手を選ぶことは事業の成否を分ける重要なポイントです。
契約前に必ず確認しておくべき5つの具体的な判断基準は以下の通りです。
手数料や諸経費の内訳が明確に提示されているか
代行業者の料金体系がクリアであるかは、最初のチェックポイントとなります。
基本料金が安く設定されていても、通関手続きや港での保管料、書類作成費などがオプションとして後から追加されるケースも少なくありません。
想定外のコストが膨らむと、計算していた利益率が大幅に下がってしまいます。
見積もりの段階で、どのような作業にいくらかかるのか、不透明な請求がないかを細かく確認し、納得のいく説明をしてくれる業者を選ぶ必要があります。
「全込み〇万円」と案内されている場合でも、ヤード保管料や検査費用が別途発生するケースがあります。見積書に記載のない費用が後から請求された場合に、どう対応するかを事前に文書で確認しておくことがトラブル防止の第一歩です。
輸出を希望する国や地域への豊富な実績があるか
ターゲットとする国によって、輸入規制や関税のルールは大きく異なります。
年式規制が厳しい国や、事前の車両検査が義務付けられている地域など、条件は非常に複雑です。
そのため、自社が狙う市場への輸出を過去に何度も成功させている実績豊富な業者を選ぶことが求められます。
特に人気のアフリカやカリブ海地域などは独自の商習慣を持つことも多く、現地の最新事情に精通したパートナーであれば、法律の変更にも迅速に対応でき、滞りなく車両を届けることができます。
自社が取り扱う車種に応じて、輸出先も変わるため、自社の取引国への輸出に強く、また新しい販路を見つけるアドバイスをくれるような企業がベストと言えるでしょう。
国別の輸入規制については年に数回のペースで変更が入ることがあり、直近では複数の東アフリカ諸国で年式規制の強化が相次いでいます。「去年は輸出できた車が今年は弾かれた」という事態を防ぐためにも、規制の最新情報を共有してくれるパートナーの存在は実務上の大きな安心材料です。詳細は国別 中古車輸出 規制一覧【2026年最新】で確認できます。
支払い遅延や輸送トラブル発生時のサポート体制は万全か
海外との取引では、代金の未回収や輸送中の車両損傷といった予期せぬトラブルが起こるリスクが常に伴います。
万が一の事態に直面した際、パートナー企業がどこまで間に入って解決を支援してくれるかが非常に重要です。
安全な決済代行システムを導入しているか、海上保険の適用範囲は十分かなどを事前にチェックしておくことが推奨されます。
危機管理体制が整っている業者をパートナーに据えることで、安定した経営基盤を構築できます。
海上保険の補償範囲は業者によって大きく異なります。「全危険担保(All Risks)」と「分損不担保(FPA)」では補償内容が根本的に違い、輸送中の接触事故による損傷が補償されないケースもあります。保険証券の条件を必ず書面で確認し、不明点は業者に質問しましょう。トラブル発生後に「補償対象外だった」と知ることは、実際によくある失敗のひとつです。
大手企業と中小専門業者のそれぞれの強みを比較する
業界大手の企業は、世界中に張り巡らされた物流ネットワークと豊富な資金力を持ち、圧倒的な集客力や安定した輸送スケジュールを提供してくれます。
一方、中小規模の代行業者は、特定の国に独自のコネクションを持っていたり、細かな要望に柔軟に対応してくれたりするフットワークの軽さが特徴です。
自社が幅広い国へ大量に輸出したいのか、それともニッチな市場を深く掘り下げたいのか、事業の戦略に合わせて最適な規模の相手を見極める必要があります。
自社の事業規模や目標に合った提案をしてくれるか
ただ手続きをこなすだけでなく、ビジネスの成長を一緒に考えてくれる姿勢があるかも大切な要素です。
月間数台の小規模な取引からスタートしたい場合、大企業向けのパッケージを押し付けられてはコストに見合いません。
現在の資金力や将来の経営ビジョンをヒアリングした上で、無理のないプランや販売先の国の選定など、具体的な戦略を提案してくれる業者を選ぶべきです。
自社の状況に寄り添ってくれるパートナーがいれば、長期的に良好な関係を築くことができます。
初回商談で「どの国に、どんな車種を、月何台規模で売りたいか」を明確に伝えてみてください。その質問に対して具体的な提案が返ってくる業者と、パンフレット説明で終わる業者とでは、実務のサポート力に大きな差があります。実際に顧客と一緒に戦略を考えてくれる相手かどうかを初回で見極める、有効な確認方法です。
中古車輸出ビジネスで初心者が陥りがちな失敗事例と回避策

魅力的な市場である一方で、貿易特有の落とし穴も存在します。
知識不足のまま見切り発車してしまうと、思わぬ損失を被る危険性も否定できません。
起業直後の時期は特に注意が必要であり、先人たちの失敗から学ぶことが身を守る最大の防御策となります。
新規参入者が直面しやすい代表的なトラブルの事例と、未然に防ぐための具体的な対応策は以下の通りです。
より詳細な実際の失敗事例については、中古車輸出で実際にあった失敗事例|致命的トラブルを回避で具体的なケース別に解説しています。あわせてご確認ください。
失敗例1:海外バイヤーからの代金が回収できない
車両を港から発送したにもかかわらず、相手から入金されないという資金回収のトラブルは最も致命的です。
言葉の壁や物理的な距離があるため、一度支払いが滞ると泣き寝入りせざるを得ないケースも発生します。
代金未回収は中古車輸出で廃業に至る最大の原因のひとつです。1台100万円の車両を5台分回収できなかっただけで、500万円の損失になります。これを防ぐための基本ルールは「B/L(船荷証券)を担保に取ること」です。B/LをTT送金の受領後に相手に渡す仕組みにすることで、車両の引渡しと代金回収を連動させることができます。送金確認前にB/Lを渡してしまうケースは、特に長期取引で信頼関係ができた相手との間で起きやすいため注意が必要です。
この事態を防ぐためには、全額前払いを徹底するか、信用状取引を利用するなどの厳格な決済ルールの設定が不可欠です。
後払いの多いマーケットも多くあるため、新規で始める場合は、決済サービスについてのマーケットの相談ができるようなパートナー企業を選びましょう。
また、安全な決済代行サービスを提供するプラットフォームを活用することで、経営を揺るがす未回収リスクを劇的に下げることができます。
失敗例2:現地の輸入規制や法律の変更に対応できない
仕入れた車をいざ送ろうとしたら、相手国の法律が変わり輸入を拒否されてしまうケースです。
右ハンドル車の禁止や、製造から一定年数が経過した車両の輸入制限など、各国のルールは突然変更されることがあります。
実際の現場でよくあるのが、「オークションで仕入れた後に輸出先の規制変更を知った」というケースです。仕入れ前に輸出先国の最新規制を確認することは当然ですが、落札から出港まで1〜2ヶ月かかることも多く、その間に法改正が入るリスクもゼロではありません。在庫を持つモデルで輸出する場合は、仕入れ時点で「複数の仕向け地に対応できる汎用性の高い車種」を選ぶことがリスク分散の実務的な知恵です。
これを回避するには、公的機関の情報をこまめに確認し、現地の最新動向を常に把握しておく姿勢が求められます。
輸出ビジネスの実績が豊富な代行業者と連携し、現地のリアルタイムな情報を共有してもらうことも有効な対策となります。
失敗例3:船積みや輸送中の車両トラブルに対処できない
長い航海の間に、塩害によるサビの発生や、荷役中の接触による傷、さらには車内パーツの盗難といった被害に遭うことがあります。
現地に到着した際、バイヤーから状態が違うとクレームを受け、値引きを要求される事態も少なくありません。
出港前の写真記録は「角度・枚数・日時スタンプ」の3点セットで保存することが現場での基本です。外装4面・エンジンルーム・メーター・室内・タイヤの写真を最低でも20〜30枚記録しておくことで、「到着後のクレームに対して出港時点の状態を証明できる」という強い立場を持てます。この記録がないと、バイヤー側の主張に対して反論する根拠がなくなります。
事前の対策として、港での写真撮影を徹底し、出荷前の状態を記録に残しておく作業が必要です。
また、中古車販売の利益を守るためにも、輸送中の損害をある程度カバーできる適切な海上保険への加入を検討しましょう。
中古車輸出ビジネスに関するよくある質問
これから海外への車両販売を始めるにあたり、多くの人が疑問に感じるポイントをまとめました。
起業の準備段階でつまずきやすい代表的な質問に対して、簡潔にお答えします。
Q. 英語が話せなくても海外のバイヤーと取引できますか?
結論として、英語が話せなくても取引は十分に可能です。
多言語対応の翻訳ツールを活用するほか、商談や現地対応をすべて任せられる代行業者を利用すれば、語学力ゼロでもスムーズにビジネスを展開できます。
当社でもTOEIC500点以下のスタッフがアフリカ向けに営業、事務などすべての手続きを行ったことのある実績があります。やる気があれば言語の壁は乗り越えられる時代です。
実際の現場では、英語よりもむしろ「車両コンディションの正確な説明力」と「レスポンスの速さ」の方が取引継続に影響する場面が多いです。「何かあったらすぐ連絡をくれる」という信頼感は、語学力よりもリピート率に直結します。
Q. 中古車輸出を始めるのに必要な初期費用はいくらですか?
無在庫販売のモデルを選ぶ場合、数十万円程度の少ない資金から起業が可能です。
古物商許可の取得費やパソコンなどの通信環境整備が主な費用となり、在庫を抱えなければ高額な初期投資を抑えることができます。
実際には「古物商許可(約19,000円)+オークション会員費(数万〜十数万円)+最初の仕入れ立替資金(100〜200万円)+消費税一時立替分」を合わせると、実質的に200〜300万円程度の手元資金があると安定して立ち上げやすいというのが現場の感覚です。資本が薄い状態で始めると、消費税還付のタイムラグだけで資金ショートになりかねません。
Q. 輸出に必要な「古物商許可」は必ず取得すべきですか?
はい、利益を得る目的で国内の中古車を仕入れて販売する以上、古物商許可の取得は法律で義務付けられています。
無許可で中古車ビジネスを行うと罰則の対象となるため、事業開始前に必ず警察署で申請を済ませてください。
古物商許可は申請から許可が下りるまで約40日程度かかります(都道府県によって異なる)。法人設立と並行して早めに申請することで、事業スタートの遅れを防げます。申請先や必要書類の詳細は、各都道府県の警察署生活安全課にて確認してください。
まとめ
中古車輸出ビジネスには、在庫を持たない安全な手法から高額な利益を狙う手法まで、様々なモデルが存在します。
自社の資金力や目指す事業規模に合わせて最適な方法を選び、不足しているノウハウを補ってくれる信頼できるパートナー企業を見つけることが長期的な安定の鍵となります。
料金体系の透明性やトラブルへの対応力を基準に提携先を厳選し、万全の準備を整えて事業を開始することが求められます。
モデル選びに迷ったときは、「今の自分に何が足りないか」から逆算するのが最も現実的です。資金が少なければオークション代行型、集客力が欲しければポータルサイト掲載型、実務経験がゼロなら一括サポート型と、段階的に組み合わせながら自社の強みを育てていくアプローチが、長期的に事業を安定させるコツです。
UCARWORLDが選ばれる理由

中古車輸出ビジネスを成功させるには、信頼できるプラットフォームとパートナーの存在が不可欠です。UCARWORLDは、業界最大手での事業立ち上げ経験や大手ECサービスの海外展開で培ったノウハウを背景に、国内の中古車販売店が世界100ヵ国以上の海外バイヤーへ直接販売できる環境を提供しています。
UCARWORLDが他のポータルと異なる最大のポイントは「掲載して終わり」ではなく、「どの国に・何を・どう見せるか」という戦略段階から一緒に考える伴走型のサポートにあります。実際の現場では、「国内で半年以上売れなかった在庫が、UCARWORLDに掲載してから2週間で問い合わせが入った」というケースも起きています。長期在庫の出口戦略として活用する販売店も増えています。
圧倒的な集客力と最新マーケティング
独自のSEOマーケティングとITを駆使し、アフリカはもちろん、ロシア・UAE・ケニア・フィリピン・アメリカなど世界100ヵ国以上の購買意欲の高いバイヤーへ効率的にリーチします。自社での集客施策が難しい中古車輸出において、プラットフォームの集客力は事業の成否を左右する大きな要素です。
輸出未経験でも安心のサポート体制
英語力がなくても定型文で交渉から出荷まで対応可能。代表・茶谷信明は200社以上の未経験者向け輸出支援の実績を持ち、貿易実務・交渉術・国別トレンド車両の選定まで丁寧にコンサルティングします。過去には未経験から月間1,000台の販売実績を達成した事例もあります。
透明性の高い料金体系とトライアル掲載
初期費用を抑えてスタートできるトライアル掲載(無料)から始められるため、「まず試してみたい」という方でも安心して導入できます。多言語対応・決済機能・取引サポートなど、販売に必要な機能がプラットフォーム内に揃っており、複数の業者をまたいで手数料が積み上がるリスクを回避できます。
各国の市場トレンドに基づく販売戦略
国ごとに異なる輸入規制・商習慣・消費者ニーズを熟知したUCARWORLDは、御社のターゲット国に合わせた最適な車種の品揃えを提案します。「何を、どの国に売るか」という戦略段階から伴走できる点は、単なる掲載プラットフォームとは一線を画すポイントです。
海外販売を検討中の販売店様、在庫車両の輸出可能性を試してみたい方は、まずはお気軽にご相談ください。掲載希望のお問い合わせ・無料トライアルのご案内は下記よりどうぞ。

経歴
- カービューにて中古車輸出プラットフォーム「Tradecarview(現TCV)」を立ち上げ
- 中古車輸出未経験企業を含め、1,000社以上の輸出支援を実施
- 楽天グループにて海外EC展開・越境販売を推進
- 中古車輸出企業「カーペイディーエム」を創業し、豊田通商へ事業売却(M&A)
- 中古車輸出プラットフォームの立ち上げ・海外展開・M&A実績を持つ。
- これまで1,000社以上の中古車輸出を支援。