中古車輸出ビジネスは、日本の高品質な車両を海外市場へ展開できる魅力的な事業です。
しかし、その裏には代金未回収や各国の輸入規制、輸送中のトラブルなど、一度の失敗が致命的な損失につながりかねない多様なリスクが潜んでいます。

実際に、規制を事前確認せずに仕入れた車両が現地通関で弾かれ、輸送費・車両代合わせて数十万円単位の損失を出したケースや、取引実績のない海外バイヤーに後払いを許可した結果、残金100万円以上が回収不能になった事例は、輸出業界では決して珍しくありません。

本記事では、実際に起きた10のトラブル事例を基に、事業を始める前に知っておくべき現実と、それらを未然に防ぐための具体的な対策を解説します。

中古車輸出に潜むリスク|事業を始める前に知るべき現実

中古車輸出ビジネスには、国内の商取引とは異なる特有のリスクが存在します。
代表的なものとして、海外バイヤーからの代金未回収、国ごとに異なる複雑な輸入規制の違反、長距離輸送に伴う車両の損傷や盗難が挙げられます。

また、為替レートの変動によって利益が失われる可能性や、悪質な代行業者との取引による金銭的被害も少なくありません。
これらのリスクに対する十分な知識と準備がなければ、事業の継続は困難になります。

現場が離れていることにより、迅速なトラブル対応ができないことも多くあります。

特に参入初期の段階では、「日本車は世界で人気だから売れる」という感覚的な確信が、リスク確認の甘さにつながるケースが多く見られます。国内販売とは異なり、問題発覚から解決まで数週間〜数ヶ月かかることもあり、その間も在庫コストや資金繰りのプレッシャーは続きます。

各国の輸入規制・通関ルールの詳細については、国別 中古車輸出 規制一覧【2026年最新】年式・ハンドル・関税を解説 でも整理していますので、仕入れ前に必ずご確認ください。

中古車輸出で実際に起きた10のトラブル事例

中古車輸出ビジネスにおいて発生しうる典型的な失敗事例を紹介します。金銭の支払いに関するトラブル、輸出先の法律や規制に起因する問題、輸送過程でのアクシデントなど、その内容は多岐にわたります。これらの具体的なケースを知ることは、同様の失敗を避け、自身の事業を守るための第一歩となります。

【金銭トラブル】車両を送ったのに代金が振り込まれない

最も深刻な金銭トラブルの一つが、代金の未回収です。
手口としては、最初に手付金(デポジット)として一部を入金させ、輸出者を信用させた上で船積みを実行させます。
輸出者が船荷証券(B/L)のコピーを送付した途端に連絡が途絶え、残金が支払われないまま車両だけが持ち逃げされるケースが後を絶ちません。

特に取引実績のない新規のバイヤーとの間で、安易に後払いを認めてしまうと、このような事態に陥りやすくなるため、新規取引の場合は基本的には後払いは避けたいところです。

この手口は、最初の1〜2台で誠実な支払いを繰り返して信頼を積み上げ、台数・金額が大きくなったタイミングで消えるケースが実際に報告されています。「これまでの実績があるから大丈夫」という慢心が、最大の損失を招くことがあります。残金が大きくなるほど、決済条件を緩めるのではなく、逆に厳格に管理することが重要です。

【金銭トラブル】L/C決済の書類不備で支払いを拒否される

比較的安全とされるL/C(信用状)決済でも、トラブルは発生します。
L/C決済は、契約通りの船積みを証明する書類を銀行に提出することで、銀行が支払いを保証する仕組みです。
しかし、インボイスに記載された会社名のスペルミスや、B/Lの商品名とL/Cで指定された名称がわずかに違うなど、些細な書類の不一致(ディスクレ)を理由に、銀行から支払いを拒否される事例があります。

書類作成は極めて厳格に行う必要があります。

国内での書類提出においても同様で、書類修正のために何度も銀行へ足を運ぶことも少なくありません。

ディスクレが発生すると、バイヤー側の「承諾(ウェイバー)」が得られない限り支払いは行われません。悪意あるバイヤーの場合、意図的にディスクレを口実に値引き交渉に持ち込もうとするケースも存在します。L/C条件の確認は、船積み前ではなく、L/C受領直後に行うのが鉄則です。

【規制トラブル】輸出先の輸入規制違反で通関できない

各国の輸入規制を事前に調査しなかったために起こるトラブルです。
例えば、ケニアでは製造から8年以内の車両しか輸入できない「8年ルール」が存在します。

これを知らずに該当車両を輸出すると、現地で通関できず、最悪の場合は廃棄処分となります。
他にも、スリランカのように右ハンドル車の輸入を禁止している国や、特定の排ガス基準を満たさないと輸入できない国など、規制は様々です。

これらの確認を怠ると、輸送費や車両代金の全額が損失となります。

規制は「知らなかった」では済まされません。現地通関で止まった場合、車両の保管費(デマレージ)が日々発生し、最終的に廃棄・現地売却せざるを得なくなることもあります。往復の送料と車両代を合わせると、1台あたり50万〜100万円超の損失になるケースも現実にあります。

各国の最新輸入規制は、JETRO(日本貿易振興機構)中古車の輸入が制度上困難な国々 でも国別に確認できます。ケニアの8年ルール詳細は ケニア向け輸出の規制ページ を参照。ただし情報の更新頻度には限りがあるため、現地代理店や通関業者との二重確認が不可欠です。

【規制トラブル】輸出抹消登録などの国内手続きで不備が発覚する

トラブルの原因は、海外だけでなく国内の手続きにも潜んでいます。
中古車を輸出する際は、運輸支局で「輸出抹消仮登録」を行い、証明書の交付を受ける必要があります。
リサイクル券の管理に不備があったりすると、そもそも港で通関手続きができず、船積みができません。

輸出ができない上に、余計な税金を払い続け、本来戻ってくるお金(還付金)も戻ってこないという金銭的な損失が発生するという最悪な事態が起こります。
また、ブレーキ部品などにアスベストが含まれている可能性がある場合、非含有証明書の提出を求められるなど、国内法令の遵守も不可欠です。

輸出抹消は、通常の廃車手続きとは異なる手続きです。初めて輸出を行う販売店がここで詰まるケースが非常に多く見られます。手続きは運輸局(支局)への事前予約が必要な場合もあり、船積み日から逆算した余裕あるスケジュール管理が求められます。消費税還付を受けるための書類管理とも連動するため、最初の1台目から正確な処理が利益に直結します。

【輸送トラブル】船積みの遅延により契約納期を守れない

中古車輸出は、船会社のスケジュールに大きく依存します。
天候不良や寄港地の混雑、船会社の都合による急なスケジュール変更などで、予定していた船に車両を積めず、出港が大幅に遅れることがあります。
予定していた船が翌月になるというようなことも残念ながら珍しいことではありません。
この結果、バイヤーとの契約納期を守れなくなり、信用を失うだけでなく、契約のキャンセルや遅延損害金を請求される事態に発展する可能性があります。
特に、特定の時期に需要が高まる国への輸出では、納期遅延は致命的です。

バイヤーの中には、特定の祭事・農繁期・雨季前など「この時期に届かないと意味がない」という明確な期限がある場合があります。ラマダン前のイスラム圏向け、年度末前のアフリカ向けなどは典型例です。船積みは「早めに確保する」のが原則で、余裕を持ったブッキングが信頼維持の基本です。

【輸送トラブル】航海中に塩害や盗難で車両がダメージを受ける

数週間にわたる海上輸送では、車両が様々なリスクにさらされます。
甲板に積まれた場合、潮風に含まれる塩分によってボディや金属部品が錆びてしまう「塩害」が発生します。
また、経由地の港では、オーディオやスペアタイヤ、触媒コンバーターといった部品や整備手帳やスペアキーなどが盗難に遭う被害も少なくありません。

こうした損傷や盗難が起きると車両の価値は著しく下がり、バイヤーとの間で補償をめぐる深刻な紛争の原因となります。

特に触媒コンバーターは、白金・パラジウムなどの貴金属を含むため、港での盗難ターゲットになりやすい部品です。経由地の治安状況によっては、専用コンテナへの格納(RORO船ではなくコンテナ船利用)に切り替えることでリスクを大幅に軽減できます。コスト差は1台あたり数万円ですが、盗難1件で失う損失と補償交渉の手間を考えれば、十分に元が取れる判断です。

【品質トラブル】到着後に「状態が違う」と理不尽なクレームをつけられる

車両が現地に到着した後、バイヤーから「聞いていた状態と違う」「写真にない傷がある」といったクレームをつけられ、不当な値引きを要求されるトラブルです。
中には、事前に車両の状態を理解していながら、意図的にクレームをつけて支払額を減らそうとする悪質なバイヤーも存在します。

新規取引のバイヤーには特に注意深く接することが重要です。
輸出前に車両の状態を証明する客観的な証拠が不足していると、こうした要求を拒否することが難しくなります。

この手口は、取引実績を積んだ後に突然始まるケースもあります。「今まで問題がなかったから」と油断してドキュメント管理を省略した結果、交渉材料を失うことになります。証拠書類の整備は、信頼関係に関係なく、毎回・全台・徹底することが原則です。日本のオークション出品票(コンディションレポート)は、第三者証明として非常に有効な書類です。

【業者トラブル】実態のない悪質な輸出代行業者に依頼してしまう

煩雑な輸出業務を代行業者に依頼した際に発生するトラブルも多いです。
ウェブサイト上では豊富な実績を謳っていても、実際には専門知識が乏しく、ずさんな手続きで通関トラブルを起こしたり、不必要な追加料金を請求したりする業者がいます。

さらに悪質なケースでは、手数料や車両代金を前払いで受け取った後、連絡が取れなくなる詐欺も存在します。
業者の実態や評判を十分に調査せずに依頼してしまうことが原因です。

見分けるポイントとして、「対応できる輸出先の国名を具体的に答えられるか」「通関書類の実例を見せてもらえるか」「担当者が輸出実務経験者かどうか」の3点が有効です。ウェブサイトの見栄えや価格の安さだけで選ぶと、後から高いコストを払うことになります。初回は少額・小ロットで実力を確かめることも有効な手段です。

【判断ミス】為替レートの急変動で想定外の赤字になる

中古車輸出の取引は、多くの場合ドル建てで行われます。
そのため、バイヤーと契約を締結してから、実際に入金されるまでの間に為替レートが大きく円高に動くと、日本円に換金した際の手取り額が想定よりも大幅に減少し、利益がなくなったり赤字になったりします。

特に取引台数が多い場合や、一台あたりの単価が高い車両を扱う場合、わずか数円の変動でも損益に与える影響は甚大です。

例えば、1台USD10,000(約150万円想定)の車両を10台契約後、円高が1ドル=150円から140円に動いた場合、10台合計で約100万円の差損が発生します。為替予約(フォワード契約)や、入金後の迅速な円転など、基本的なヘッジ手段を知っておくだけで、リスクを大幅に抑えることが可能です。

【判断ミス】輸出先のニーズを読み間違えて在庫を抱える

「この車種は海外で人気がある」という漠然とした情報だけを頼りに仕入れを行い、失敗するケースです。

一口に「海外」と言っても、国によって好みは多種多様です。
例えば、四輪駆動車が人気のアフリカ諸国でも、国や地域によって好まれるメーカーやモデルは細分化されています。

現地の道路事情、燃料の品質、修理部品の入手しやすさといった具体的なニーズを分析せずに仕入れた結果、全く買い手がつかず、長期間の不良在庫として抱え込むことになります。

国内では評価が低い車両でも、海外では需要が高い傾向があります。逆に国内で人気の車種が、輸出先では全く売れないケースもあります。例えば、ディーゼル燃料の品質が低い地域では、クリーンディーゼル車は敬遠されることがあります。同じ車種でも、輸出先によって数十万円単位で価格差が出ることもあるため、「どの国のどんなバイヤーが買うか」を仕入れ前に明確にすることが利益の根幹です。

茶谷’S POINT
規制やニーズは「なんとなく分かっているつもり」が一番危険です。
実際に、マニュアル車が主流の国に対して、 仕入れ担当の判断ミスでオートマ車を複数台仕入れてしまい、売れ残ったケースがありました。
初歩的に見えても、こうしたズレはすぐに在庫リスクに直結します。
👉国ごとのニーズは細かく異なるため、思い込みを排除し、細部まで確認することが重要です。

失敗事例から学ぶ!中古車輸出のトラブルを未然に防ぐ5つの対策

これまで見てきたようなトラブルは、適切な知識と準備によってその多くが回避可能です。
致命的な失敗を避け、安定した事業運営を行うためには、事前の対策が極めて重要になります。

ここでは、過去の失敗事例から導き出される5つの具体的な予防策を紹介します。
これらを着実に実行することで、リスクを大幅に低減させることができます。

取引相手の信用情報を入念に調査する

多くのトラブルは取引相手に起因するため、契約前の信用調査は不可欠です。
相手企業のウェブサイトや登記情報だけでなく、業界内での評判や過去の取引実績についても確認します。
可能であれば、共通の取引先を通じて情報を得ることも有効です。

初めて取引する相手の場合は特に慎重になるべきで、企業の信用度を客観的に評価する調査会社のレポートを利用することも検討します。
安易な信用は禁物です。

具体的なチェック項目として、①ビジネスライセンスの確認、②登記上の住所と実際の営業所の一致確認、③SNS・レビューサイトでの評判調査、④他の輸出業者からの紹介有無、⑤初回取引の支払い条件(100%前払いを受け入れるか)の5点を確認するだけで、悪質業者のリスクを大幅に下げることができます。

輸出先の法律や輸入規制を徹底的にリサーチする

輸出先の輸入規制は、中古車輸出ビジネスの成否を分ける重要な要素です。
年式、ハンドルの位置、排ガス基準、走行距離制限など、国によって規制内容は大きく異なります。
また、これらの規制は予告なく変更されることもあります。

JETRO(日本貿易振興機構)のデータベースや、現地の輸入代理店、通関業者などを通じて、常に最新の情報を入手し、規制に適合する車両のみを仕入れることが鉄則です。

入念すぎるくらいに常に感度を高く保ち、情報のアップデートを怠らない姿勢が不可欠です。

規制情報は「1回調べれば終わり」ではありません。数ヶ月で相場や規制が変わるケースもあります。主要輸出先については、四半期ごとに情報を更新する仕組みを社内に作ることで、思わぬ規制違反リスクを防げます。現地代理店・通関業者との定期的な情報交換ルートを持つことが、長期的な競合優位にもつながります。

万が一に備えて貨物海上保険に必ず加入する

どれだけ注意を払っても、海上輸送中の事故や盗難のリスクを完全に排除することはできません。
そのため、貨物海上保険への加入は、事業を守るための必須事項です。

輸送中の損傷や紛失による損害を補償してくれます。
保険には、補償範囲が限定的なものから、あらゆるリスクをカバーするものまで様々なプランがあります。

車両価格や輸送ルートの危険度に応じて、適切な保険を選択し、万が一の事態に備えます。

保険料は車両価格の0.3〜0.8%程度が目安です。100万円の車両なら年間3,000〜8,000円程度のコストで、輸送中の全損リスクをカバーできます。「コストがかかる」と省略するのは、最も割の合わないリスクテイクです。経由地の治安リスクが高いルートでは、オールリスク型(ICC/A条件)の選択を強くお勧めします。

車両の状態を証明する写真や書類を正確に準備する

到着後のクレームによる値引き要求を防ぐため、輸出前の車両状態を客観的に証明できる証拠を揃えておくことが重要です。
外装の傷や凹み、内装の汚れ、エンジンルーム、下回りなど、車両のあらゆる箇所を日付がわかるように撮影します。

オークションの出品票や、第三者機関が発行する検査証明書も有力な証拠となります。
これらの資料を事前にバイヤーと共有し、合意を得ておくことが紛争防止に繋がります。

写真は「撮った」だけでは不十分です。バイヤーに送付し、「この状態で確認した」という返信をメール・チャットで受け取っておくことが、後の交渉で決定的な証拠になります。動画での撮影(エンジン始動・走行チェック含む)も有効で、実際にこれによってクレームが即座に棄却されたケースがあります。

支払い方法は前金やL/Cなど安全性の高いものを選択する

代金未回収リスクを回避するため、決済方法の選定は慎重に行います。
最も安全なのは、船積み前に代金の100%を前払いで受け取る方法(T/T Remittance in Advance)です。

しかし、バイヤーがこの条件を受け入れない場合も多いため、最低でも50%以上のデポジットを確保するか、銀行が支払いを保証するL/C(信用状)決済を利用します。
特に新規の取引相手に対して、後払いや手付金なしの取引は避けるべきです。

信頼関係の構築は重要ですが、ビジネスにおいて確実な債権回収は最優先事項です。

取引を円滑に完結させるためにも、決済方法の選定は極めて重要な意味を持ちます。

実務上は、取引実績0→3台は100%前払い、3台以上の実績がある相手には50%デポジット+船積み前残金払いというように、実績に応じて条件を段階的に緩和するアプローチが現実的です。「一律で全員同じ条件」より、信頼に応じた柔軟な対応が長期取引関係の構築につながります。

致命傷を避ける鍵は信頼できる輸出パートナーの選定

中古車輸出に関わるすべての手続きやリスク管理を、一人ですべて完璧に行うのは非常に困難です。
法規制のリサーチ、煩雑な書類作成、船会社の手配、そして現地バイヤーとの交渉など、専門的な知識と経験が求められる場面が数多くあります。

だからこそ、事業の成功と失敗を分ける鍵となるのが、豊富な経験とノウハウを持つ信頼できる輸出パートナーの存在です。

パートナー選びに失敗した場合のリスクは、単なる手数料の損失にとどまりません。通関トラブル・代金未回収・バイヤーとの関係破綻といった複合的な損失が重なり、事業継続が困難になるケースも現実にあります。パートナー選定は、コストではなく「リスク管理投資」として捉えることが重要です。

豊富な輸出実績と専門知識を持っているか確認する

パートナーを選ぶ際は、まずその業者が持つ輸出実績と専門知識を確認します。
特に、自分がターゲットとする国や地域への輸出経験が豊富かどうかは重要な判断基準です。
その国の最新の輸入規制や通関事情、市場のニーズに精通しているパートナーであれば、的確なアドバイスが期待でき、トラブルを未然に防ぐことができます。

ウェブサイトの情報だけでなく、具体的な事例について直接質問してみることも有効です。

「年間何台・何ヶ国に輸出実績があるか」「直近1年で対応した輸出先の国名を3つ以上言えるか」「通関で問題が起きたときの具体的な対処事例を教えてもらえるか」という3つの質問が、パートナーの実力を測る上で非常に有効です。答えが曖昧な業者は避けた方が無難です。

手数料やサービス内容が明確に提示されているか見極める

信頼できるパートナーかどうかを見極める上で、料金体系の透明性は非常に重要です。
契約前に、どのような業務にいくらの手数料がかかるのか、その料金にはどこまでのサービスが含まれているのかを明確に提示してくれる業者を選びます。

後から不明瞭な追加料金を請求されるようなトラブルを避けるため、見積書や契約書の内容を細部まで確認し、疑問点は事前に解消しておくことが大切です。

特に確認すべき費用項目は、①書類作成手数料、②通関費用の含有有無、③トラブル対応費用の負担区分、④キャンセル・変更時のペナルティの4点です。これらが曖昧な業者との契約は、後々「言った・言わない」のトラブルになるリスクが高くなります。

問い合わせへの対応品質やスピード感をチェックする

実際に業者とやり取りをする中で、その対応品質やスピード感も重要な判断材料になります。
専門的な質問に対して丁寧かつ的確に回答してくれるか、メールや電話への返信は迅速かといった点を確認します。
何気ないやり取りにこそ、その企業の組織体制やプロ意識が如実にあらわれるものです。
レスポンスが遅かったり、担当者の知識が不足していたりする業者は、万が一トラブルが発生した際に迅速かつ適切な対応が期待できず、問題が拡大してしまう可能性があります。

実際の現場では、船積みのタイミングや規制変更への対応は「時間との勝負」になることが多くあります。48時間以内に回答がない業者に、緊急トラブルの対応を任せることはできません。初回問い合わせ時のレスポンス速度は、その後の取引品質を示すバロメーターとして見ることを推奨します。

中古車輸出に関するよくある質問

ここでは、中古車輸出ビジネスを始めるにあたって、多くの方が抱く疑問について解説します。
個人での事業開始は可能なのか、語学力はどの程度必要なのか、そして初心者が最も警戒すべき点は何か。

これらの質問への回答を通じて、事業参入への不安を解消します。

個人でも中古車輸出ビジネスを始めることは可能ですか?

結論として、個人での参入は十分に可能です。
事業を始めるにあたり法人格は必須ではありませんが、ビジネスとして行うためには古物商許可の取得や、車両の仕入れと輸出にかかる運転資金の準備が不可欠となります。

輸出先の輸入規制、複雑な通関手続き、海外バイヤーとの商談など、専門的な知識と対応力が求められる場面は少なくありません。
これらの課題を独力で解決するには、相応の学習と経験が求められます。

そのため、リスクを抑えて着実に事業を成長させるには、全ての業務を自身で抱え込むのではなく、信頼できる輸出代行業者など専門家のサポートをうまく活用し、実務を通じて知識を深めていく方法が賢明です。

個人・法人それぞれの開業手順については、中古車輸出で個人起業!開業ダンドリ・手続き・費用を解説 でも詳しく解説しています。最初の1台を輸出するまでの具体的なステップを確認したい方はあわせてご参照ください。

語学力に自信がなくても海外バイヤーと取引できますか?

語学力に自信がなくても、海外バイヤーとの取引を始めること自体は可能です。
高精度な翻訳ツールが普及したことで、見積書の作成や船積みの連絡といった定型的なやり取りは、大きな支障なく進めることができます。

しかし、ビジネスにおける言語は単なる伝達手段ではなく、相手との信頼関係を築くための重要な要素です。
機械翻訳では伝わりきらない細かなニュアンスの齟齬や、文化的な背景への理解不足が、後に深刻なクレームや交渉の決裂につながる危険性をはらんでいます。

そのため、語学力に不安がある場合は、複雑な契約交渉やトラブル対応を円滑に進めるためにも、現地の商習慣と言語に精通した専門のパートナーに仲介を依頼することが、リスクを回避し、事業を安定させるための確実な方法です。

定型文・テンプレートの活用は有効ですが、クレーム対応・値引き交渉・キャンセル対応など、感情が絡む場面での機械翻訳は誤解を生みやすいため注意が必要です。バイヤー対応の英語例文については 【コピペOK】中古車輸出の英語例文集|場面別のバイヤー対応テンプレ も参考にしてください。

初めて中古車を輸出する際に最も注意すべき点は何ですか?

初心者が陥りやすい最大の落とし穴は、取引相手を安易に信用してしまうことと、費用の全体像を把握しないまま事業を始める点です。
信頼できる海外バイヤーや輸出代行パートナーを見極めることは、金銭や手続きのトラブルを防ぐための最も重要な第一歩となります。
また、車両代金以外にも、国内輸送費や船賃、各種手数料まで含めた総コストを正確に算出し、確実な利益計画を立てることが不可欠です。
「想定外」をどれだけ事前に排除できるかが、ビジネスの継続性を左右します。
この初期準備を怠ることが、致命的な失敗に直結します。

実際のコスト感として、国内1台の輸出にかかる費用は、抹消登録・港まで陸送・船賃・書類作成・保険を合わせると、車両価格とは別に10万〜20万円程度が目安です。これを見落として「高く売れた」と思っていたら実は赤字だったというケースが、初参入者に非常に多く見られます。利益計算の詳細は 中古車輸出の利益計算|仕入れから販売までの収支シミュレーション で確認できます。

まとめ

中古車輸出ビジネスは高い収益性を持つ一方で、代金未回収、輸入規制違反、輸送トラブルなど、多岐にわたるリスクを内包しています。
本記事で紹介した10の失敗事例は、実際に多くの事業者が直面してきた現実です。
これらの事例から学び、取引相手の信用調査、輸出先の法規制リサーチ、貨物海上保険への加入、安全な決済方法の選択といった対策を講じることが、事業を成功させるための基盤となります。
一時の楽観的な判断が、それまでの努力を一瞬で打ち消してしまうのが国際ビジネスの怖さでもあります。
そして、これらのリスク管理を円滑に進める上で、信頼できる輸出パートナーの選定が極めて重要な役割を果たします。

本記事で紹介したリスクはすべて「知っていれば防げたもの」です。経験を積む前に知識で武装することが、最も低コストなリスク管理です。

UCARWORLDが選ばれる理由

UCARWORLDは、1,000社超の中古車輸出支援実績を持つ代表・茶谷信明が、「なぜ多くの業者がリスク管理で失敗するか」という現場経験をもとに設計した、日本発のグローバル中古車マーケットプレイスです。

本記事で紹介した失敗事例の多くは、「どの国のどんなバイヤーが買うか」が事前に見えていないことに起因しています。UCARWORLDでは、世界100か国以上の購買意欲の高いバイヤーに直接リーチできる仕組みを提供しており、在庫車両がどの国で需要があるかを把握した上で販売活動が行えます。

長期在庫として国内で値下げを繰り返している車両でも、海外では需要がある場合が少なくありません。「国内で売れない=価値がない」ではなく、「適切な市場に届けることで利益になる」という視点が、在庫回転率と利益率の両方を改善します。

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「まず1台、海外で試してみたい」という方から、「本格的に輸出専門チームを立ち上げたい」という企業様まで、状況に合わせたご相談を承っています。

海外販売を検討中の方はお気軽にご相談ください。 掲載希望の販売店様はお問い合わせください。 在庫車両の輸出可能性診断も承っています。