こんにちは、茶谷です。
「国内で使い終わったバス、どうしよう…」という相談、かなり多く受けます。
正直に言います。日本の中古バスは、海外では”高品質な掘り出し物”として扱われています。
国内では減価償却が終わってスクラップ行きになりそうな車両でも、海外では数百万円の値がつくケースが珍しくない。
この記事では、その理由から手続きの流れ、よくある失敗まで全部書きます。
日本の中古バスが海外で高い需要を誇る3つの理由
「なんで日本のバスがそんなに人気なの?」
バス事業者さんから、こう聞かれることがよくあります。答えはシンプルで、日本のバスは”使われ方”が海外より丁寧だからです。
理由1:厳しい基準で整備された高い品質と耐久性、これ、かなり強いです
日本のバスは、道路運送車両法に基づく車検と定期点検が義務です。ただ法律を守るだけでなく、バス会社は乗客の安全のために法定基準以上の整備を当たり前のようにやっています。
年式が古くても車両の状態が良好なのは、そのためです。
特にいすゞをはじめとする日本メーカーのバスは、造りの堅牢さと耐久性で世界的に信頼されています。タンザニアやケニアの未舗装路でも、何年も走り続ける。それができるのは、日本での整備履歴があるからです。
理由2:定期メンテナンスによるエンジン状態の良さ、海外では驚かれます
日本のバス事業者は、運行前点検だけでなく、エンジンオイル・フィルターの定期交換を当然の業務としてやっています。
『えっ、そんなの当たり前じゃないの?』と思いますよね。
実は、整備インフラが整っていない国では、これが当たり前ではないんです。だから、日本から来たバスのエンジン状態が「信じられないくらい良い」と言われる。特にアフリカや東南アジアの一部では、修理屋が少ない地域での運行が前提になるため、故障しにくいエンジン状態が買い手にとって命綱になります。
整備環境が整っていない国に輸出するほど、日本のメンテナンス履歴が価値を持ちます。
理由3:燃費性能と維持のしやすさ、コスト面での強みを甘く見ないでください
日本のバスメーカーは、長年の技術革新で世界トップクラスの低燃費を実現しています。
燃料費が高い国・長距離運行が多い地域の事業者にとって、燃費の良さは毎月の利益に直結します。これ、単純に「いい車」という話ではなく、買い手の事業採算に関わる話です。
さらに、日本製バスは構造がシンプルで部品の流通もグローバルに展開されています。「修理できる」という安心感が、購買決定を後押しします。
中古バスの主要な輸出先はどこ?国別ランキングと市場動向
知ってますか?国によって「好きな車種」「好む年式」「嫌いな色」まで全然違います。
『どこでも売れるだろう』という感覚で進めると、仕入れた車両が売れ残る原因になります。市場ごとの傾向を理解してから動いてください。
関連記事: 中古車輸出の基礎知識ガイド|UCARWORLD
アフリカ諸国(タンザニア・ケニアなど)の需要、正直かなり熱いです
経済成長が著しいアフリカ大陸では、公共交通網の整備が急務です。タンザニア・ケニア・ザンビアなどでは、市民の足となる路線バスや都市間を結ぶ長距離バスとして、日本製バスが多数活躍しています。
アフリカ市場の特徴:
- 白・シルバー系のボディカラーが好まれる(熱を吸収しにくいため)
- 大容量の路線バスタイプへの需要が高い
- 年式よりも「走れる状態かどうか」が重視される
茶谷’s POINT
私が以前、海外向け中古車販売に関わっていたときは、タンザニア向けにバスや送迎用車両を提案する際、年式、車種やモデル、走行距離だけでなく、ボディカラーもよく確認していました。現地は暑い地域が多いため、白系の車両は太陽光を反射しやすく、車内やボディが熱くなりにくい色として説明しやすい傾向があります。
状態が良くても、色や用途が現地の感覚と合わないと商談が進みにくいことがあります。仕入れ前に、国ごとの人気色と実際の使われ方まで見ておくと安心です。

ただし、右ハンドル・左ハンドルの規制は国によって異なります。事前確認は必須です。
東南アジア(ミャンマー・フィリピンなど)の交通インフラとして活躍
インドネシア・ラオス・ミャンマーなどでは、日本のバス会社の塗装や行き先表示が残ったまま現地で走る光景が見られます。
ただ、重要な注意点があります。ミャンマーでは2018年から右ハンドルの中古車輸入が禁止されています。これを知らずに仕入れてしまったケースは複数あります。
東南アジア向けは、国ごとの規制確認が特に重要な地域です。
中東(UAEなど)の中継貿易拠点としての役割
UAEは、日本からの中古車輸出台数で常に上位に位置する市場です。
UAEに輸出されたバスの多くは、ドバイを経由してアフリカや中東・アジア各国へ再輸出されます。「UAE向けに売った」と思っていたら、最終的にはアフリカで走っていた、ということが普通にあります。
世界有数のハブ港を持つUAEは、中継貿易の拠点として中古車流通において極めて重要な役割を担っています。
中古バスを輸出する際の手続きと一連の流れを6ステップで解説
「手続き、複雑そう…」という声をよく聞きます。
ただ正直なところ、一度経験すれば流れは掴めます。最初の1台が一番大変です。ここで全体像を把握しておいてください。
ステップ1:輸出するバスの選定と仕入れ
まず、輸出先の国の規制と市場ニーズに合った車両を選定・仕入れます。
仕入れ先は、バス事業者からの直接購入か業者専門のオートオークションが主流です。アフリカ・東南アジア向けには、耐久性に定評のあるいすゞの路線バスが人気です。
ここで詰まる人が多い: 「規制を調べずに仕入れる」ケースです。年式・ハンドル位置・排ガス基準は輸出先ごとに異なります。仕入れ前に必ず確認してください。
仕入れの基礎から選び方まで詳しくはこちら:中古車輸出の仕入れ完全ガイド|オークションでの販売車両の選び方
ステップ2:輸出抹消仮登録証明書の取得
輸出する車両の国内登録を一時的に抹消し、「輸出抹消仮登録証明書」を取得します。
手続きは、車検証とナンバープレートを管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所に返納して行います。この証明書は、後の通関手続きで必要になる重要書類の一つです。
ステップ3:船会社(シッピングライン)の予約
バスのような大型車両は、自走で船に乗り込めるRORO船を利用するのが一般的です。
輸出先の港・船のスケジュール・運賃を確認し、船会社またはその代理店を通じてブッキングします。余裕を持ったスケジュールで動かないと、港での保管費用が積み上がります。
ステップ4:輸出検査(JEVICなど)の実施
輸入国によっては、船積み前に車両が安全・環境基準を満たしているかの検査が義務付けられています。JEVIC(日本輸出自動車検査センター)などの指定機関が実施します。
検査証明書がないと輸入通関ができない国も多い。「後から分かった」では手遅れです。事前に要否を確認してください。
ステップ5:税関への輸出申告と通関手続き
車両を船積みする港を管轄する税関に輸出申告を行います。
インボイス・パッキングリスト・輸出抹消仮登録証明書などを揃え、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)で電子申告するのが一般的です。許可が下りれば、車両を港の保税地域に搬入できます。
税関の輸出申告手続きについては財務省・税関の公式サイトも参考にしてください。
ステップ6:船荷証券(B/L)の受け取りと現地への送付
車両が積み込まれると、船会社から船荷証券(Bill of Lading、B/L)が発行されます。
輸入者が現地で車両を引き取る際に必要な有価証券です。代金の入金を確認してから、B/Lの原本をクーリエ便で速やかに送付します。
バスを輸出する前に確認すべき3つの注意点

これ、意外と知らない方が多くて…。ここを読み飛ばして後悔している人を何人も見てきました。
注意点1:輸出先の年式やハンドル規制を甘く見たら損します
輸出先ごとに、輸入できる車両の年式・ハンドル位置・排ガス基準が法律で定められています。
「製造から5年超は輸入不可」「左ハンドルのみ可」といった規制は予告なく変更されます。特に年度替わりの4月頃は見直しが多い。
契約前に最新の輸入規制を確認すること。これは絶対です。
国別の規制をまとめて確認したい方はこちら:国別 中古車輸出 規制一覧【2026年最新】年式・ハンドル・関税を解説
注意点2:輸送中の車両固定、ここを疎かにすると大損害になります
海上輸送中は、天候によって船が大きく揺れます。固定が不十分だと、船内で車両が動いて車体や他の貨物に損傷が出ます。
RORO船・コンテナ輸送ともに、ラッシングベルトやワイヤーでタイヤを確実に固定する「ラッシング」が必須です。
海上保険への加入も忘れずに。輸送中のトラブルはカバーできます。
注意点3:代金未回収リスク、安全な決済方法の話を包み隠さず書きます
海外バイヤーとの取引では、代金未回収リスクが常に存在します。
最も安全なのは、出荷前に全額を電信送金(T/T)で受け取る前払い方式です。高額取引では、銀行が支払いを保証する信用状(L/C)取引も有効な選択肢です。
「信頼関係ができたから後払いで」という判断が、後で大きな損失になることがあります。
安全な決済方法を詳しく知りたい方はこちら:輸出の代金回収|未回収リスクを防ぐ安全な決済方法と流れ
バスを高く売却・輸出するための3つの方法
方法1:海外バイヤーに直接販売する
自社でウェブサイト・SNSを運営し、海外バイヤーと直接やり取りして販売する方法です。
中間業者を介さないので、最も高い利益率が期待できます。ただし、集客・価格交渉・契約・輸出手続き・代金回収まで全部自社でやる必要があります。語学力と貿易実務の知識が必要です。最も難易度が高い方法です。
方法2:輸出代行業者に手続きを依頼する
自分で買い手を見つけて、輸出手続きのみを専門業者に委託する方法です。
書類作成・船積み手配・通関を専門家に任せられるので、貿易知識がなくても輸出ビジネスを始められます。ただし、代行手数料は発生します。
方法3:輸出専門の買取業者に売却する
海外への販売網を持つ買取専門業者にバスを売却する方法です。
手続きは全て業者が行うので、最も手間がかかりません。ただし、業者の利益や経費が差し引かれるため、売却価格は直接販売より低くなる傾向があります。
「早く現金化したい」「手間をかけたくない」という方に向いています。
UCARWORLDが多くの事業者に選ばれる理由、全部話します
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バス輸出の場合、「同じいすゞのバスでも、タンザニア向けとミャンマー向けでは好まれる年式・仕様が違う」というレベルの情報です。ターゲット国に最適化された仕入れができるようになります。
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私・茶谷信明はこれまで1,000社以上の中古車輸出未経験者・事業者へのコンサルティングを行ってきました。
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バス輸出に関するよくある質問
古いバスや走行距離が多いバスでも輸出できますか?
はい、輸出できます。
ただし、輸出先の国によって年式規制があります。走行距離が多くても、日本の車両はメンテナンス状態が良いため海外での需要は高い。規制のない国への輸出は問題ありません。
バスの輸出にかかる費用はどんなものがありますか?
車両本体価格の他に、国内陸送費・輸出抹消登録費用・輸出検査料・通関手続き費用・海上運賃・海上保険料が主な費用です。
車両の大きさ・輸出先・利用する船会社によって変動するため、事前に詳細な見積もりを取ることが重要です。
英語が話せなくてもバスの輸出ビジネスはできますか?
はい、できます。
輸出代行業者への依頼、または多言語対応プラットフォームの活用で、英語力は必須ではありません。UCARWORLDでは、日本語のみで海外バイヤーとの商談から契約まで完結させることができます。
まとめ
日本の高品質な中古バスは、海外で本当に高い需要があります。
成功の鍵は、輸出先の輸入規制と市場ニーズを正確に把握すること、そして適切な手続きを踏むことです。
直接販売・代行業者・買取業者とさまざまな方法がありますが、中古車輸出プラットフォームを活用すれば、未経験者でも効率的かつ安全に海外への販路を拡大できます。
在庫車両の輸出可能性を知りたい方、海外販売を検討中の方は、お気軽にご相談ください。
掲載希望の販売店様もお問い合わせをお待ちしています。
在庫車両の輸出可能性診断も承っています。

経歴
- カービューにて中古車輸出プラットフォーム「Tradecarview(現TCV)」を立ち上げ
- 中古車輸出未経験企業を含め、1,000社以上の輸出支援を実施
- 楽天グループにて海外EC展開・越境販売を推進
- 中古車輸出企業「カーペイディーエム」を創業し、豊田通商へ事業売却(M&A)
- 中古車輸出プラットフォームの立ち上げ・海外展開・M&A実績を持つ。
- これまで1,000社以上の中古車輸出を支援。