中古車輸出ビジネスに興味はあるものの、何から準備すればよいのか分からず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
古物商許可や開業手続き、仕入れ先の確保、海外バイヤーとのやり取りなど、個人で始める場合でも事前に押さえておきたいポイントは少なくありません。
UCARWORLDは、日本の中古車を海外へ販売するプラットフォームを運営しており、海外向け販売の流れや掲載実務、販路づくりに日々触れています。
本記事では、その知見も踏まえながら、中古車輸出を個人で始める際に必要な準備、開業時の手続き、初期費用の目安、仕入れから輸出までの基本的な流れをわかりやすく解説します。
特に最近では、サラリーマンの副業として中古車輸出を始める方が増えており、そんな方でも始められるように分かりやすく記載しますので、是非ご覧ください。
ただし、準備不足のまま仕入れだけを先行させてしまうと、在庫が売れずに資金が詰まるケースが実際に起きています。本記事では「仕入れより先に売り先を考える」という順序を軸に、失敗しやすいポイントも含めて解説します。
個人で中古車輸出を始める前に知っておきたい3つの現実
ここでは、個人で中古車輸出を始める前に知っておきたい3つの主な理由について説明します。
・日本の中古車は海外で需要がある
・個人でも始められるが、手続きと販路の理解は欠かせない
・仕入れより先に“売り先”の考え方が重要になる
日本の中古車は海外で需要がある
日本製の自動車は、耐久性の高さや故障の少なさから、海外市場で非常に高い評価を受けています。
特に新興国においては、公共交通機関の未発達や経済成長に伴うモビリティ需要の急増により、良質な日本車を輸入したいというニーズが絶えません。ファミリー向けの車種だと、特に壊れにくいと評判のトヨタ車は圧倒的な人気を誇ります。
財務省の貿易統計によると、日本からの中古乗用車輸出台数は年間100万台規模で推移しており、アフリカ・中東・東南アジア・太平洋島嶼国など多様な市場への輸出が続いています。国内で乗り換えサイクルが短い日本では、良質な中古車が安定的に発生し続けており、これが輸出ビジネスの根幹となっています。
日本国内では5年で乗り換えは一般的で、例えば10年以上経過しような年式が古く、10万キロ以上など走行距離の高い車両であっても、海外では十分な実用性があると見なされ、高値で取引されるケースが多々あります。皆さんも、車買い替えの際に、ディーラーに「これは値がつきませんけど、無料で引き取ります」というようなことを言われたことがあるのではないでしょうか?とんでもない!海外では、まだまだ使える車だということも多いのです。
また、車検制度によって車両状態が良好に保たれている点も、世界中のバイヤーから強い信頼を得ている理由の一つと言えます。
国によって人気車種・年式規制・左右ハンドルの指定などが大きく異なります。たとえばケニアではProbox Vanやコロラ・フィールダーなどの実用小型車が主力となる一方、UAEではアルファードやランドクルーザー系の高額車両が取引の中心です。仕入れる前に「どの国に、何を売るか」を決めておかないと、売れない在庫を抱えるリスクがあります。
個人でも始められるが、手続きと販路の理解は欠かせない
中古車輸出は、法人でなければ始められない事業ではなく、個人事業として検討することも可能です。
ただし、実際に進めるには古物商許可の取得や開業に関する届出、輸出時の書類対応など、事前に押さえておきたい手続きがあります。
また、事業の進め方によっては小規模からスタートすることもできますが、仕入れや輸送、各種手数料などにかかる費用を見込んだうえで、無理のない資金計画を立てることが重要です。
特に、在庫を持つかどうか、どの販路を活用するかによって、必要な資金や運用負担は変わってきます。
初心者が陥りやすいのが、「古物商許可を取ってから販路を考える」という順番のミスです。許可取得に40日以上かかる一方、仕入れルートだけ先に動いても売り先がなければ在庫が積み上がるだけです。手続き・仕入れ・販路の3つを同時に考えて準備を進めることが、スムーズな開業につながります。
さらに、個人で始める場合は、仕入れ先を確保することだけでなく、どこで販売するのか、どのように海外バイヤーとつながるのかといった販路の考え方も欠かせません。
手続きや仕入れだけでなく、販売先の確保まで含めて全体像を理解しておくことが、継続的な事業運営につながります。
なお、中古車輸出で起きやすいトラブルや失敗パターンについては、中古車輸出で実際にあった失敗事例|致命的トラブルを回避でまとめています。開業前にあわせてご覧ください。
仕入れより先に“売り先”の考え方が重要になる
かつては海外との取引に現地での人脈や大掛かりな販売網が必要でしたが、現在ではオンラインプラットフォームを通じて誰でも手軽にバイヤーへアプローチできます。
多言語対応の越境ECサイトや中古車輸出専用のポータルサイトに車両情報を掲載するだけで、世界中の顧客から購入のオファーを受けられます。
翻訳ツールやチャットアプリの進化により、細かな交渉や連絡もスムーズに行える環境が整備されています。
個人事業主であっても、パソコン一台でグローバルな市場に直接アクセスできる時代になっています。
ただし、「プラットフォームに掲載すれば自動的に売れる」わけではありません。写真の品質・車両状態の詳細な記載・問い合わせへの返信速度が成約率に直結します。実際の現場では、掲載情報が不完全なために問い合わせが来ても商談に進まないケースが多く見られます。
売り先にお悩みの方は、海外の中古車バイヤーへの販売が可能で、代表自身がこれまでに世界100か国以上へ中古車輸出を行ってきた実績を持つ「UCARWORLD」へ、ぜひお気軽にご相談ください。
中古車輸出の開業準備!4つのステップで完全ガイド
事業を立ち上げる際には、適切な法的手続きと事前準備を漏れなく行う必要があります。
中古車輸出の開業準備について、以下4つのステップでご紹介します。
- ステップ1:まずは警察署へ!中古車仕入れに必要な古物商許可を取得する
- ステップ2:税務署に提出する開業届と青色申告承認申請書
- ステップ3:税関手続きに必須!輸出入者符号を取得する方法
- ステップ4:最低いくら必要?初期費用と運転資金のリアルな内訳
ステップ1:まずは警察署へ!中古車仕入れに必要な古物商許可を取得する
事業として中古車を買い取るには、管轄の警察署で古物商許可を取得することが法律で義務付けられています。
この許可がないとオートオークションへの参加や販売店からの仕入れができず、無許可営業は厳しく罰せられます。
具体的には、古物営業法違反に該当した場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。「少量なら大丈夫」という認識は誤りで、1台でも事業として仕入れ・売買を行う場合は許可が必要です。開業意欲が高まったタイミングで、まず最初に着手すべき手続きです。
申請には以下の書類が必要になり、申請手数料として19,000円がかかります。
個人許可申請の場合
- 略歴書(本人と営業所の管理者のものが必要)
根拠 古物営業法施行規則第1条の3第3項第1号イ- 本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(本人と営業所の管理者のものが必要)
根拠 古物営業法施行規則第1条の3第3項第1号イ- 誓約書(本人と営業所の管理者のものが必要)
根拠 古物営業法施行規則第1条の3第3項第1号ロ、第3号ハ- 身分証明書(本人と営業所の管理者のものが必要)
根拠 古物営業法施行規則第1条の3第3項第1号ハ- URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ必要)
根拠 古物営業法施行規則第1条の3第3項第5号
警視庁「古物商許可申請」より
書類の提出から許可証が交付されるまでには、おおむね40日程度の審査期間を要するため、事業計画を立てる際はあらかじめ日数を計算に入れて早めに手続きを進めましょう。以前に私が担当した加盟店様は。何度も警察署に足を運び、2か月ほどかかった業者様もありましたので注意が必要です。
書類の不備で申請が差し戻されるケースもよくあります。特に「URLの使用権限に関する資料」は、ウェブサイトで販売を予定している場合にドメイン管理証明が必要になるため、慌てて用意する方が多い書類です。事前に管轄警察署の窓口または電話で必要書類リストを確認しておくと、2度手間を防げます。
💡茶谷’s POINT
当たり前のことですが、中古車輸出を始めるにあたり、「法的手続き」という絶対的な土台の古物商許可の取得が最重要事項だと考えます。
古物商許可の取得をしていないと、そもそも中古車オークションへの参加すらできず、車の購入ルートの選択肢が狭まるばかりか、無許可営業は罰則の対象になるのです。
以前問い合わせがあった国内向けの中古車販売会社様と「いざ契約をしよう」というタイミングで、古物を取得していない会社様がいらっしゃいました。
警察署に申請するための書類集めから提出、審査までかなりの時間を要するため、この日に必ず営業開始したい!という思いがあるのであればきちんと逆算して計画的に動くことをお勧めします。

ステップ2:税務署に提出する開業届と青色申告承認申請書
個人事業として中古車輸出を始める場合は、税務署へ開業届と青色申告承認申請書の届け出を行いましょう。
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。たとえば、2026年4月に開業した場合も、2026年12月に開業した場合も、提出期限はどちらも2027年3月15日となります。
あわせて検討したいのが、青色申告承認申請書の提出です。
青色申告の承認を受けると、要件を満たした場合に最高65万円の青色申告特別控除などの特典を受けられます。提出期限は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内です。
たとえば、2026年4月10日に開業した場合、開業届の提出期限は2027年3月15日です。
一方、青色申告承認申請書は2026年6月10日までに提出する必要があります。
また、2026年1月10日に開業した場合は、青色申告承認申請書の期限は2026年3月15日です。
加えて、輸出取引は消費税の取扱いも関係するため、日々の売上や仕入れ、経費を正確に記帳しておくことが大切です。
消費税の申告や還付の可否は、課税事業者かどうか、インボイス登録の有無、取引内容などによって変わるため、輸出ビジネスだから必ず還付を受けられると考えるのではなく、制度を確認したうえで準備を進める必要があります。
消費税の還付を受けるためには、課税事業者である必要があります。開業初年度は免税事業者となるケースが多く、その場合は還付を受けられません。「輸出すれば消費税が戻ってくる」という話を聞いて参入した方が、実際には初年度は還付対象外だったというケースは少なくありません。税務署または税理士への事前確認を強くお勧めします。なお、具体的な利益計算のシミュレーションは中古車輸出の利益計算|仕入れから販売までの収支シミュレーションと利益率を参考にしてください。
ステップ3:税関手続きに必須!輸出入者符号を取得する方法
仕入れた中古車を輸出する際、税関への申告手続きをスムーズに進めたいなら輸出入者符号(JASTPROコード)を取得することをおすすめします。
このコードは日本輸出入者標準コードセンターに申請して取得するもので、貿易取引を円滑に進めるための共通の識別番号です。
JASTPROコードがない場合でも、法人番号や税関輸出入者コードを利用して輸出申告を進められる場合がありますが、JASTPROコードを取得しておくと、通関手続きをよりスムーズに進めやすくなります。
個人事業主でも申請可能であり、オンライン手続きを利用すれば比較的短期間で発番されます。
JASTPROコードについて
・1法人または1個人に対して、1コードのみの発給です。
・新規登録手数料は 7,700円(税込)、有効期間は3年間です。
・有効期間後も継続してご利用いただく場合は、3年に1度の更新手続きと手数料 4,400円(税込)が必要となります。
一般財団法人 JASTPRO(ジャストプロ)「日本輸出入者標準コード(JASTPROコード)」よりJASTPROコードを取得していない状態で通関業者(フォワーダー)に依頼した場合、申告に使用するコードの特定に手間がかかり、申告が遅れるケースがあります。特に初回取引では、フォワーダー側も初めての顧客に対してより多くの情報確認が必要になるため、コードを事前に取得しておくことでスムーズに進めやすくなります。
この登録を完了させることで、通関業者への依頼もスムーズになり、税関でのトラブルを防ぐ効果が期待できます。ステップ4:最低いくら必要?初期費用と運転資金のリアルな内訳
開業時に必要な資金は、車両を在庫として持つか、オークション代行を使うか、どの国へ輸出するかによって大きく変わります。
中古車輸出を始めるにあたって想定しておきたい主な費用項目と、おおよその相場観を以下の表に整理しました。
| 費用項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 古物商許可申請 | 19,000円 | 中古車輸出ビジネスを始めるにあたり必須です。 (警視庁ホームページ) |
| JASTPROコード新規登録 | 7,700円 | 必ずしも全員に必須とは限りませんが、取得しておくと通関実務を進めやすくなります。 (日本貿易関係手続簡易化協会) |
| オークション代行手数料 | 30,000~50,000円程度 | 代行業者を使う場合の一例です。別途、入札料や落札料がかかることがあります。 |
| 入札料 | 1,000~10,000円程度 | 代行業者経由の目安です。 |
| 落札料 | 50,000円程度 | 代行業者や会場条件によって異なります。 |
| 国内陸送費 | 10,000~30,000円程度 | オークション会場から保管場所、または港までの距離で変わります。 |
| 通関費用 | 18,000円~ | 車両サイズや依頼先によって変動します。 |
| 海上輸送費用(RORO船の一例) | 50,000円~300,000円以上 | 車両サイズや輸出国によって変動します。 |
| BL発行料・サレンダー費用 | 各5,500円~ | 船会社・依頼先で変わります。 |
| 放射能検査・下回り洗浄 | 2,200円~、8,800円 | 輸出先や港の要件で必要になることがあります。 |
| 車両仕入れ代金 | 車両により大きく変動 | ここが最も大きな費用差になります。年式・車種・状態で大きく変わります。 |
開業時に必要な資金は一律ではありませんが、許可取得などの固定費に加え、車両代・陸送費・通関費用・海上運賃まで含めて考えることが大切です。どこの国をターゲットにするかによっても費用は変わってきますが、比較的安価で始められるマーケットとしてはアフリカが挙げられます。
たとえばアフリカ向けに30万円前後で仕入れた小型実用車を輸出する場合、陸送・通関・海上輸送を合わせると諸経費だけで15〜20万円程度になることがあります。利益を出すには、「仕入れ値+諸経費」を現地の売値から逆算して確認することが必須です。初心者が見落としがちなのが、在庫期間中の保管コストと、入金までの資金繰りです。1台あたりの取引サイクルが1〜2か月に及ぶことも多いため、複数台同時に動かす場合は200〜300万円以上の運転資金を準備しておくと安心です。
特に個人で始める場合は、仕入れや輸送にかかる立替資金まで見込んで、無理のない資金計画を立てておきましょう。
【完全マニュアル】中古車を仕入れてから輸出するまでの全手順

各種の申請や手続きを終えた後、実際に車両を調達して海外の顧客へ引き渡すまでの実務フローの手順を紹介します。
- 仕入れ先の確保!オートオークションに参加する方法を解説
- 海外バイヤーはどこで探す?おすすめのプラットフォーム活用術
- 国内での手続き!輸出抹消仮登録を運輸支局で行う
- 船積みと通関はどうする?乙仲業者(フォワーダー)への依頼手順
①仕入れ先の確保!オートオークションに参加する方法を解説
中古車輸出で安定して車を仕入れたい場合、オートオークションは代表的な方法の一つです。全国に展開しているUSSやTAA、JUなどの業者向け中古車オークションでは多くの車両が出品されており、条件に合う車を探しやすい一方、参加には一定の条件があります。たとえばUSSでは、古物商許可取得後1年以上、常設の事務所や展示場、連帯保証人または保証制度の利用、保証金の預託などが求められます。
参加の流れ
- 参加したいオークション会場の入会条件を確認する
- 資料請求や申込みを行う
- 古物商許可証の写しなど必要書類を提出する
- 会場ごとの審査を受ける
- 会員登録後、出品車両を確認して入札する
開業直後などで直接参加が難しい場合は、会員資格を持つ代行業者を通じて入札する方法もあります。まずは、オートオークションが業者向けの会員制仕入れ市場であると理解しておくと、全体像をつかみやすいでしょう。
代行業者を使う場合の注意点として、代行手数料が積み重なると1台あたりの仕入れコストが想定より大幅に高くなることがあります。「落札価格+代行手数料+陸送費」を合算した実質仕入れ価格で利益計算をするクセをつけましょう。また、代行業者によっては輸出向け車両の検査書類(走行距離証明など)の取得に対応していないケースもあるため、海外バイヤーから求められる書類への対応力を事前に確認することが重要です。
オークションでの車両選定については、中古車輸出の仕入れ完全ガイド|オークションでの販売車両の選び方で詳しく解説しています。初めてオークション参加を検討している方はあわせてご覧ください。
②海外バイヤーはどこで探す?おすすめのプラットフォーム活用術
海外バイヤーを一から探すのは、個人や小規模事業者にとって簡単ではありません。
現地のニーズを調べたり、継続的にやり取りできる相手を見つけたりするには、想像以上に手間がかかります。
そのため、海外向けに中古車を掲載できるプラットフォームを活用し、既存の販路につなげる方法がおすすめです。
あらかじめ海外の買い手に見てもらえる場があることで、自力で売り先を探す負担を抑えながら、販売の機会を広げやすくなります。
中古車輸出では、仕入れ先を確保することだけでなく、どこで販売するかを先に考えておくことも大切です。
掲載先が決まっていれば、仕入れから販売までの流れをイメージしやすくなり、無理のない形で事業を進めやすくなります。
また、掲載時には写真だけでなく、傷や修復歴、車両状態などの情報もできるだけ正確に伝えることが重要です。
海外バイヤーは実車をすぐに確認できないため、情報が丁寧に整理されているほど安心感につながり、問い合わせや商談にもつながりやすくなります。
海外バイヤーの視点では、「写真の枚数と角度」「修復歴の有無と具体的な箇所」「タイヤ残量やバッテリー状態などの消耗品情報」が成約率に大きく影響します。実際の現場でも、同じ車両を掲載しても情報量が豊富な出品者の方が成約が早い傾向があります。最低でも外装4面+内装+エンジンルーム+メーター+傷部分の写真をセットで掲載することをお勧めします。
UCARWORLDでは、日本の中古車を海外市場に向けて掲載できる環境を用意しています。
海外バイヤーを一から探すのが難しい場合でも、掲載先を確保しておくことで、販売の出口を意識しながら事業を進めやすくなります。
海外販路を広げたい方はUCARWORLDをご活用ください!
③国内での手続き!輸出抹消仮登録を運輸支局で行う
中古車を海外へ送る前には、ナンバープレートが付いたままの状態では輸出できないため、管轄の運輸支局に出向いて輸出抹消仮登録の手続きを行う必要があります。
手続きの流れ
必要書類は車の状態や申請内容によって変わりますが、車検証、印鑑証明書、所有者の印鑑、ナンバープレートなどが必要になるケースがあります。
また、名義変更など別の登録手続きが関係する場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
交付された証明書は、輸出時に使う大事な書類です。
あとで慌てないよう、受け取ったら紛失しないように保管しておきましょう。
もちろんこれらを代行している業者や乙仲業者(フォワーダー)と取引をするのも一手です。
初心者がよくやってしまうミスとして、「港に車を持ち込んでから輸出抹消仮登録がまだだったことに気づく」というケースがあります。この書類がなければ通関申告自体ができないため、船の出港スケジュールに間に合わなくなるリスクがあります。仕入れ → 陸送手配 → 輸出抹消手続き → フォワーダー連絡、という順番を必ずカレンダーで管理する習慣をつけることが重要です。
④船積みと通関はどうする?乙仲業者(フォワーダー)への依頼手順
車両の準備ができたら、次は船積みと通関の手配に進みます。
実務では、自分で船会社や税関対応を一つずつ進めるのではなく、海上輸送や通関の手配をまとめて相談できる業者に依頼することをおすすめします。
乙仲業者(フォワーダー)への依頼の流れ
- 輸送や通関を依頼する業者に相談する
- 輸出抹消仮登録証明書または輸出予定届出証明書、インボイスなどの必要情報を渡す
- 船の手配と搬入先の案内を受ける
- 車両を港近くの保税地域へ搬入する
- 税関の確認を受け、輸出許可後に船積みする
港での細かな作業内容は依頼先や仕向地によって異なるため、最初は業者に確認しながら慎重に進めるようにしましょう。私が担当した例では、RORO船の手配をして明日出発というときに、国によって必要な検査が受けられていなかったなんていう事例も実際にありました。
輸送方法にはRORO船(自走式)とコンテナ船の2種類があります。RORO船は1台単位で手配しやすく初心者向けですが、コンテナ船は複数台をまとめて積載することで1台あたりの輸送コストを下げられます。初めての輸出はROROから始め、取引量が増えてきたらコンテナ活用を検討するのが現実的な流れです。なお、輸出先によってはROROが使えない港もあるため、フォワーダーへの確認は早めに行いましょう。
個人事業主が賢く稼ぐ!中古車輸出の収益モデルとリスク対策
中古車輸出ビジネスで安定した収益を上げるには、利益構造の理解と不測の事態に備えるリスク管理が必要です。
ここでは、以下の内容を解説します。
利益の柱!消費税とリサイクル預託金の還付を理解する
中古車を輸出する場合は、消費税の申告とリサイクル預託金の取戻しも確認しておきましょう。
どちらも「お金が戻る可能性がある」という点では似ていますが、制度も手続先も異なります。輸出取引は消費税の輸出免税に当たり、課税事業者であれば申告の結果として還付になることがあります。一方、リサイクル預託金はJARCへの申請で取戻しを行います。
| 消費税 | リサイクル預託金 | |
|---|---|---|
| 何のお金か | 仕入れや経費に含まれる消費税 | 車に預けられているリサイクル料金 |
| どこに申告・申請するか | 税務署 | JARC(自動車リサイクル促進センター) |
| 戻る条件 | 課税事業者で、申告の結果として還付になる場合 | 輸出した車について所定の手続を行った場合 |
| 必要な考え方 | 輸出免税の適用と帳簿・証憑の保存 | 輸出した事実に基づく取戻し申請 |
| 注意点 | 輸出だからといって必ず還付されるわけではない | 申請期限は輸出した日から2年以内 |
輸出ビジネス特有の強みとして、消費税の還付制度があります。国内で車両を仕入れる際に支払った消費税は、海外への販売が免税取引に該当するため、税務署に申告して還付を受けられます。
消費税について
輸出取引は、国税庁でいう輸出免税に当たります。
そのため、課税事業者であれば、仕入れや経費に含まれる消費税との関係で、申告の結果として還付になることがあります。
ただし、輸出だから必ず戻るわけではありません。
確認しておきたいポイント
- 課税事業者であること
- 輸出取引であることを証明できること
- 輸出許可書などの書類を保存していること
- 帳簿や証憑を整理して申告すること
国税庁は、輸出免税の適用を受けるには、輸出許可書や税関長の証明書などを区分に応じて整理し、7年間保存する必要があると案内しています。
たとえば、消費税10%が適用された50万円の車両を仕入れた場合、仕入れに含まれる消費税は約4.5万円です。これが輸出免税として還付対象になり得ます。月に複数台を輸出する規模になると、消費税還付だけで年間数十万〜数百万円の資金回収になるケースもあります。そのため、課税事業者への切り替えタイミングと帳簿整理は、利益率に直結する重要な経営判断です。
リサイクル預託金について
リサイクル預託金は、消費税とは別の制度です。
リサイクル料金が預託された車を海外に持ち出した場合は、所有者が所定の手続きを行うことで取戻しができます。
確認しておきたいポイント
- 輸出した車が対象であること
- 所有者として申請すること
- 申請期限は輸出した日から2年以内であること
- JARCの手続きに沿って申請すること
JARCでは、輸出した日から2年間が取戻し手続きの期限と案内しています。
手数料の目安
リサイクル預託金の取戻しには、申請方法によって手数料がかかります。
| 申請方法 | 手数料 |
|---|---|
| パソコン申請 | 210円+消費税/台 |
| 一般申請 | 464円+消費税/台 |
取戻しには期限があるため、輸出後に慌てないよう、必要書類や申請時期を事前に整理しておくとよいでしょう。
リサイクル預託金の取戻し申請は、2年以内という期限がありながら、輸出後の業務が立て込んで失念するケースが実際に起きています。輸出完了のたびに申請リストへ記録しておくか、フォワーダーや代行業者に申請管理を依頼するのも有効な方法です。
代金未払いを防ぐ!安全な決済方法を選ぶポイント
海外の相手と中古車を取引する場合は、「いつ・どの方法で代金を回収するか」 を先に決めておくことが大切です。
JETROでも、輸出取引では相手先の信用リスクを踏まえ、代金回収が確実に行えるように考える必要があると案内しています。
| 決済方法 | 特徴 | 売り手側の見方 |
|---|---|---|
| 全額前払い | 出荷前に代金を全額受け取る方法 | 回収リスクを抑えやすい |
| 一部前払い | 代金の一部を先に受け取り、残額を別条件で支払ってもらう方法 | 買い手の負担を抑えつつ、一定のリスクを下げやすい |
| 信用状取引 | 銀行を介して条件に沿って代金回収を行う方法 | 回収の確実性を高めやすい |
| エスクロー決済 | 第三者が代金を預かり、条件達成後に送金する方法 | 初回取引や小口取引で使われることがある |
| 後払い | 商品発送後に代金を受け取る方法 | 回収リスクが高くなりやすい |
初回取引や相手先の信用情報が少ない段階では、できるだけ前払いに近い条件を選ぶほうが安心です。相手との関係性や取引金額に応じて、一部前払いや信用状取引、必要に応じてエスクロー決済も含めて検討するとよいでしょう。
国によっては、全額後払いは普通なんていう国もあります。ターゲットとする国を選ぶ際は、これらを含めて慎重に選びましょう。
代金未払いは、中古車輸出における最大のリスクの一つです。特に初めて取引するバイヤーとは、どんなに信頼できそうに見えても、車両が港を出た後に連絡が途絶えるケースが実際にあります。船積み書類(B/L)の引き渡しを入金確認後にする「サレンダーB/L方式」の活用など、書類管理でリスクを下げる方法をフォワーダーと事前に相談しておきましょう。
為替変動リスクに備えるための具体的な対策とは
中古車輸出では、売上を米ドル、欧州ユーロなどの外貨で受け取ることも多く、入金までの間の為替変動が利益に影響します。
たとえば、契約時より円高が進むと、受け取った外貨を円に換えたときの金額が少なくなり、想定より利益が減ることがあります。
対策としては、次のような方法があります。
- 為替予約を使う
あらかじめ為替レートを決めておくことで、採算を見通しやすくなります。 - 価格設定に余裕を持たせる
為替の振れ幅を見込んで利益を計算しておきます。 - 入金サイトを長くしすぎない
契約から入金までの期間が長いほど、為替変動の影響を受けやすくなります。
外貨建ての取引そのものを避けるのが難しい場合は、為替予約や余裕のある価格設定を組み合わせて、利益が大きくぶれにくい形を考えておくと安心です。銀行と事前に手数料の交渉をしておくことも大切です。
円安・円高の局面で数ヶ月以内に数十万円単位の収益差が生まれることもあります。たとえば1台あたり5,000ドルの取引で、1ドル=150円と130円では受取額に10万円の差が出ます。複数台を並行して動かす場合は、この差がそのまま月次利益に響くため、為替管理は利益管理の一部として位置づけることが重要です。
中古車輸出ビジネスに関するよくある質問
中古車輸出ビジネスに興味を持つ方が抱きやすい疑問点をピックアップして解説します。
個人事業主として事業をスムーズに開始できるよう、事前の不安や実務に関する不明点を解消しておくための役立つ情報をお届けするセクションです。
それぞれの疑問について簡潔にポイントをまとめています。
英語力は必須ですか?海外バイヤーとのやり取りはどうすればいい?
結論からいうと、高度な英語力がなくても始めること自体は可能です。
ただし、まったく何も準備しなくてよいわけではなく、車両情報を正確に伝えることや、問い合わせにきちんと対応することは大切です。JETROも、越境ECでは自動翻訳だけでなく、より正確に伝えるための翻訳や英語でのカスタマーサポートが重要だと案内しています。
UCARWORLDの立場から見ると、最初から完璧な英語を目指すよりも、まずは
- 掲載する車両情報を分かりやすく整理する
- 問い合わせに対して、価格や納期などをスムーズに案内できるようにする
- 必要に応じて翻訳ツールを使う
特に中古車輸出では、会話のうまさよりも、写真・車両状態・条件を誤解なく伝えることのほうが重要になりやすいです。
実際の取引では、定型文のテンプレートをあらかじめ準備しておくことが非常に有効です。「価格のご案内」「納期の目安」「決済条件の確認」など、よく使うやり取りをDeepLなどで翻訳してストックしておくだけで、問い合わせへの返信速度が上がり、バイヤーからの信頼につながります。
最初の一台を輸出するまで、おおよそどのくらいの期間が必要?
初めてなら、2〜3か月くらいを見ておくと安心です。
古物商許可は、警察の案内でも申請からおおむね40日程度とされていて、そのあとに仕入れ、掲載準備、船積みや通関の手配が続きます。
実際には、
- 古物商許可を取る
- 仕入れ先を決める
- 掲載先を用意する
- 船積みや通関を手配する
といった準備があるので、最初は思ったより時間がかかります。
「すぐ仕入れて、すぐ輸出できる」と考えるより、最初の1台は少し余裕を持って進めることをおすすめします。
2〜3か月という目安には、「バイヤーが見つかって商談成立するまでの時間」は含まれていません。掲載後に問い合わせが来るまで数週間かかることも珍しくなく、実際に入金が完了するまでには4〜5か月を見込んでおいた方が資金繰り上も安全です。最初の1台を売り切るまでの生活資金・運転資金は別途確保しておきましょう。
海外で高く売れる人気車種や年式の傾向はありますか?
あります。
ただし、一律に「この車種なら必ず高く売れる」とは言い切れず、国や地域によって傾向がかなり違います。 ケニアではTOYOTA Probox Van、Toyota Corolla Fielder、Toyota Succeed Vanなど実用車寄りのモデルが並ぶ一方、タンザニアではToyota Harrier、RAV4、Alphard、Land Cruiser PradoなどSUVやミニバン系が目立ちます。南アフリカでもHiace Van、Noah、Foresterなどが売れ筋として出ています。
- SUV:悪路や実用性を重視する地域で見られやすい。
- ミニバン:多人数で使いやすい車として需要がある。時には村のバスとして使われます。
- バン・商用車:仕事用・配送用として選ばれやすい。
- トヨタ車:流通量や部品面から検討されやすいケースが多い。
ただし、年式だけで判断するのは危険です。
「10年落ち以上でも必ず高値」と言い切るより、仕向地の需要、現地の規制、走行距離、車種、状態をあわせて見るほうが無難です。また、色が白でないと売れないなんてこともあるので、国によっての好みをお客様などから聞いておくとよいでしょう。
さらに、各国の年式規制や排気量規制、右ハンドル禁止などのルールも仕入れ前に必ず確認が必要です。知らずに規制対象車両を仕入れてしまい、輸出できなくなったというケースも実際にあります。各国の最新規制については国別 中古車輸出 規制一覧【2026年最新】で確認できます。
まとめ:中古車輸出ビジネスで成功への一歩を踏み出そう
本記事では、中古車輸出ビジネスを個人で立ち上げる際の具体的な手続きや手順、費用の内訳について説明しました。
- 古物商許可や開業届など、始める前に必要な手続きを先に整理しておく
- 仕入れ先だけでなく、掲載先や売り先まで含めて販路を考えておく
- 船積み・通関・必要書類の流れを把握し、輸出実務を見通しておく
- 消費税、リサイクル預託金、決済条件、為替変動など、お金まわりの管理を後回しにしない
- 最初から規模を広げすぎず、まずは1台目を通して全体の流れをつかむ
中古車輸出ビジネスは、事前に流れを整理しておけば、個人でも一歩ずつ進めていける分野です。まずは無理のない形で準備を進めながら、自分に合った販路や進め方を見つけていきましょう。
1台目の輸出を終えた後こそが、本当のスタートです。実際に現場を経験することで、書類の流れ・フォワーダーとの連携・バイヤーとの交渉感覚が身につきます。2台目、3台目と繰り返すなかで、どの国向けに・どの車種を・どのルートで動かすのかという自分のパターンが見えてきます。
UCARWORLDが選ばれる理由
中古車輸出で個人起業を検討している方にとって、最大の壁は「どこに・どうやって売るか」です。古物商許可を取り、開業届を出し、仕入れ先を確保しても、海外バイヤーとのつながりがなければ在庫は売れません。
UCARWORLDは、代表・茶谷信明がTCV(旧トレードカービュー)の立ち上げに関与し、1,000社以上の中古車輸出支援実績、楽天での越境EC展開、カーペイディーエム創業・豊田通商グループへのM&Aという現場経験をもとに構築したプラットフォームです。机上の理論ではなく、実際に世界100か国以上への輸出を経験したチームが運営しています。
初めて輸出に挑戦する個人事業主にとってUCARWORLDが支持される理由は、「掲載するだけで海外バイヤーの目に触れる仕組み」にあります。 SEOと多言語対応により、世界中の購買意欲の高いバイヤーに車両情報が届く環境が整っており、自力でバイヤーを一から探す必要がありません。
また、乗用車だけでなく商用車・トラック・建機にも対応しており、国内で長期在庫になりがちな車両の出口戦略としても活用されています。「国内で値がつかない車が、海外では思わぬ高値で成約した」という声も実際に寄せられています。
掲載実務や海外販売の進め方に不安がある方には、個別相談にも対応しています。まずは資料請求からお気軽にお問い合わせください。

経歴
- カービューにて中古車輸出プラットフォーム「Tradecarview(現TCV)」を立ち上げ
- 中古車輸出未経験企業を含め、1,000社以上の輸出支援を実施
- 楽天グループにて海外EC展開・越境販売を推進
- 中古車輸出企業「カーペイディーエム」を創業し、豊田通商へ事業売却(M&A)
- 中古車輸出プラットフォームの立ち上げ・海外展開・M&A実績を持つ。
- これまで1,000社以上の中古車輸出を支援。