💡 この記事でわかること

  • 落札価格が「一番高く払える一社の上限」で決まる仕組み
  • 同じ車で輸出業者と小売店の上限入札がずれる理由
  • 総仕入れ原価から逆算する上限入札の決め方
  • 高値で仕入れた車を長期在庫にしない日数の区切り方
  • 売る側と仕入れる側のどちらに立つかを決める3つの基準

「また上がったのか」。ニュースを見て、そう思った社長は少なくないはずです。2026年10月6日付の日刊自動車新聞の報道によれば、USSのAA実績で2026年4〜9月の成約価格が過去最高になりました。輸出と小売りで、仕入れ競争も激しくなっているそうです。

毎週競り場に立っている販売店なら、オークションの落札価格の高騰は、数字を見る前から肌で感じていたかもしれません。ただ、ニュースが伝えるのは「いま高い」というところまでです。

「じゃあ、うちは何を仕入れて、手持ちの在庫をどうすればいいの?」。そこは記事には書いてありません。自分で決めるしかないんです。

この記事では、落札価格が決まる仕組みと、輸出向け・小売向けで上限入札がどう違うかを書きます。そのうえで、総仕入れ原価の組み立て方と、高く仕入れた車を寝かせない決め方まで進みます。

報道で分かる「いまの話」と、相場が変わっても使える「変わらない話」は、分けて書きます。半年後に読み返しても使えるようにしたいからです。

オークションの落札価格の高騰、報道で分かるのはここまでです

報道で分かっている2026年4〜9月の動き

2026年10月時点で、事実として書けることは次の2点です。

  • 2026年10月6日付の日刊自動車新聞の報道によれば、USSのAA実績で2026年4〜9月の成約価格が過去最高だった
  • 同じ報道では、輸出と小売りで仕入れ競争が激しくなっているとされている

「で、前年よりどれだけ上がったの?原因は?」と思いますよね。成約単価が前年同月比でどれだけ動いたのか、なぜ上がったのか。こうした数字や原因は、ここでは書きません。

確かめた範囲を超えて書くと、読む方の判断を誤らせるからです。相場の話でいちばん怖いのは、根拠のない数字が社内で一人歩きすることです。

もう一つ注意があります。過去最高なのは、USSのAA実績という特定の集計の話です。自分が入札している会場や扱っている車種の相場が、同じ動きをしているとは限りません。

まずは自分の仕入れ記録と見比べてください。「ニュースでは過去最高なのに、うちが狙う車種はそこまででもない」ということも、普通にあり得ます。

輸出と小売りがぶつかる仕入れ競争とは?

同じ一台を、国内で売りたい小売店と、海外へ送りたい輸出業者が、同じ業者オークションで狙う。それが、報道でいう仕入れ競争の中身です。

買い手が増えれば、競りは上へ進みます。しかも、買い手ごとに「いくらまでなら利益が残るか」の計算が違います。この違いは、3つ目の節で表にして比べます。

小売店の社長から見れば「最近、輸出の業者に持っていかれる」という感覚かもしれません。輸出をしている側は逆に「国内の小売りが強くて取れない」と感じている。どちらも、同じ競りを反対側から見ているだけです。

今だけの話と、変わらない話をどう分けるか

「いまの話」は、2026年4〜9月に成約価格が過去最高だったことと、仕入れ競争が激しいことです。半年もすれば、状況は変わっているかもしれません。

「変わらない話」は、価格が決まる仕組み、上限の決め方、総原価の計算、在庫を寝かせないルールです。相場が上でも下でも使えます。ここから先は、どちらの話なのか分かるように書いていきます。

頭の中を整理するために、並べておきます。

いまの話(報道ベース)変わらない話(考え方)
価格USSのAA実績で、2026年4〜9月の成約価格が過去最高落札価格は、その場で一番高く払える一社の上限で決まる
競争輸出と小売りで仕入れ競争が激しい買い手ごとに逆算の起点が違う
判断自社の直近の成約単価・出品台数と見比べて判断する総仕入れ原価から上限を引き、利益が残る車だけ追う

左の列は、半年後には書き換わります。右の列は、そのまま使えます。社内で共有するときも列を分けて貼っておけば、数字だけが一人歩きしません。

自社の在庫が、いまの相場で海外のバイヤーにどう見られるのか。気になる方は気軽にご相談ください。UCARWORLDでは、在庫車両の輸出可能性の診断も受けています。

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ここからは「変わらない話」のほうです。まず、落札価格がどう決まるのかを見ていきます。

業者オークションの落札価格、どう決まって上がっていくか知ってますか?

出品台数と買いたい人の数で決まる

価格の土台は、需給のバランスです。出品台数が少なく、買いたい業者が多ければ、競りは上がります。反対に買い手が少なければ、流札が増えます。

出品台数が減る要因には、たとえば「新車の供給が細ると、下取りで出てくる車も減る」といった関係があります。ただ、いまの出品台数がどう動いていて、何が原因なのかは、今回の報道の範囲では分かりません。ここは決めつけないでおきます。

自分で確かめるなら、オークション会社の公表データで、成約単価と出品台数を前年同月比で並べるのが手早いです。単価だけを見ていると、「台数が減ったから上がった」のか「買い手が増えたから上がった」のかを見分けられません。

一番高く払える業者が値段を決める

競りでは、入札する業者がそれぞれ上限を持っています。その上限の範囲で競り上がり、最後に残った一社が落札します。

つまり、落札価格はその車の平均的な価値ではなく、「その場で一番高く払える一社の上限」です。上限を高く持てる業者が1社増えるだけで、価格は動きます。

これ、意外と見落とされています。会場の業者の大半が「いつもの値段」で入札していても、1社だけ高い上限を持っていれば、落札価格はその1社に引っ張られます。

そこに効いてくるのが、輸出需要と為替です。円安が進めば、海外のバイヤーから見て日本の車は割安になり、輸出向けの上限を上げやすくなります。円高なら逆です。

いまの為替水準には、ここでは触れません。仕組みだけ覚えておいてください。

落札価格はこの順で決まります
需給
出品台数と、買いたい業者の数で土台ができる
▼
各社の上限
業者ごとに「いくらまで払えるか」が違う
▼
落札価格
最後に残った一社の上限で決まる

● 上限を高く持てる業者が1社増えるだけで、価格は動きます

評価点や修復歴で値段の付き方が変わる理由

同じ車種・年式でも、評価点と修復歴の有無で落札価格は変わります。買い手が評価点を見るのは、リコン費用(仕上げや整備の費用)の見込みを立てやすくなるからです。

修復歴のある車は、小売では敬遠されやすい傾向があります。輸出では、仕向け国やバイヤーによって見られ方が違います。相場が高いときは、この見られ方の差が、そのまま買い手ごとの上限の差になって出てきます。

シートの記号や評価点を読み違えると、上限も読み違えます。細かい読み方はオークションシートの評価点の読み方でまとめているので、競りの前に一度目を通しておいてください。

輸出業者と小売店の上限入札、同じ車でもここで差が出ます

同じ一台でも、小売店と輸出業者では見ている数字が違います。まず並べて比べます。

比べる点小売店輸出業者
逆算の起点店頭に並べる売価仕向け国での販売価格
見る数字国内の中古車相場、展示期間現地での売値、為替、輸送や手続きの費用
気にするリスク売れ残りと値下げ為替の変動、船積みまでの日数
評価点・修復歴の見方店頭での印象、購入後の対応買う国の基準、現地バイヤーの好み
上限が上がる場面国内の店頭相場が上がったとき為替が輸出に有利に動いたとき

表に金額を入れていないのは、車種と時期で大きく変わるからです。見てほしいのは、起点になる数字がそもそも別物だという点です。

小売店は店頭価格から逆算する

小売店の起点は、店頭に並べる価格です。国内の中古車相場を見て、これなら売れるという売価を置きます。そこから落札料・陸送費・リコン費用・利益を引いて、上限を出します。

売れ残れば値下げになるので、気にするのは展示期間です。国内の売価が上がらないのに仕入れだけ上がると、上限と落札価格の差が消えていきます。

そうなると「落とせない」か「落としても儲からない」のどちらかです。小売店にとって、高騰局面のつらさはここにあります。

輸出業者は仕向け国の売値から逆算する

輸出業者の起点は、仕向け国での販売価格です。そこから輸送や手続きの費用、利益を引いて上限を決めます。為替が動けば、同じ車でも上限が変わります。

私はトレードカービューの立ち上げに関わり、その後、自分で中古車輸出の会社を創業しました。輸出側の買い手として、オークション相場を見てきた立場です。

そのころ実感したのは、国内では値がつきにくい車が、海外のバイヤーには別の物差しで見られることがある、という点です。「高走行=売れない」という国内の固定観念は、輸出の計算をするときはいったん脇に置いてください。

逆算の組み立て方は、オークション相場から利益を逆算する方法で詳しく書いています。ここでは、小売店との違いに絞って話を進めます。

国によって欲しい車が違うから相場がずれる

国によって、好まれる車種、ボディカラー、装備は違います。道路事情や気候、車の使い方が違うからです。同じ一台でも、その車を欲しがる国があれば上限は上がり、なければ上がりません。

たとえば道の悪い地域なら車高や頑丈さが、荷物を運ぶ使い方が多い地域なら積載量が見られやすくなります。右ハンドルの国か左ハンドルの国か、輸入できる年式に制限があるかによっても、行き先は変わります。

仕向け国の輸入制度は国ごとに違い、変わることもあります。JETRO(日本貿易振興機構)のサイトなどで狙う国の制度を先に確かめておけば、上限を読み違えずに済みます。

だから、輸出が相場を押し上げるといっても、全車種が一斉に上がるわけではありません。輸出で人気の車種に買い手が集まり、そこで仕入れ競争が起きやすい。現場ではそう見るほうが自然です。

同じ一台で、上限がどうずれるか数字で見ます

ここからの数字は、計算の見せ方のための仮の数字です。実際の相場ではありません。自社の数字に置き換えて使ってください。

同じ一台を、小売店は店頭で200万円で売れると見ました。輸出業者は、仕向け国で円換算220万円で売れると見ました。残したい利益は、どちらも20万円とします。

  • 小売店:200万円 − 利益20万円 − 落札料・陸送費・リコン費用・置き場の費用40万円 = 上限140万円
  • 輸出業者:220万円 − 利益20万円 − 落札料・陸送費・輸送と手続きの費用55万円 = 上限145万円

差は5万円です。ここで為替が動き、円換算の売値が1割上がって242万円になったとします。輸出業者の上限は167万円です。小売店は140万円のままなので、差は27万円に開きます。

為替が動くと、輸出業者の上限だけが動きます(仮の数字)
為替が動く前
輸出業者の上限145万円、小売店は140万円
差は5万円。競りはどちらに転ぶか分からない
▶
円換算の売値が1割上がった後
輸出業者の上限167万円、小売店は140万円のまま
差は27万円。競りの終盤は輸出業者の上限で決まる

こうなると、競りの終盤は輸出業者の上限で決まります。小売店が「いつもの感覚で上げたのに負けた」となるのは、このときです。

逆に為替が戻れば、輸出業者の上限はすっと下がります。小売店が輸出業者の落札価格を追いかけると、国内の売値と合わなくなります。

輸出側にも落とし穴があります。為替を理由に上げた上限は、為替が戻れば、その分がそのまま利益から削られます。

落札してから船に載り、売れるまでの間にも為替は動きます。自社がどの為替水準で売値を見込んでいるか、船積みまで何日かかるかは、入札の前に確かめておいてください。

高騰相場で仕入れるとき、総仕入れ原価から上限を決めないと危険です

左に自社で決められる上限入札・在庫日数・売り先、右に変えられない為替と仕入れ競争を置き、両方が中央の手元に残る利益に集まる図。上限を超えたら見送り、寝かせず売り方を見直すことを示す

落札価格に足していく費用を順番に見る

競り場で目に入る数字は、落札価格だけです。でも、手元に残る利益を決めるのは総仕入れ原価です。足していく順番は次のとおりです。

  1. 落札価格
  2. 落札料(会場や会員条件で金額が違います)
  3. 陸送費(会場から自社ヤードまで)
  4. リコン費用(整備・清掃・仕上げ)
  5. 売るまでヤードに置いている間のコスト(置き場と資金)
  6. 輸出の場合は、輸出の手続きと輸送の費用

上限は、逆から引いて決めます。

上限の落札価格 = 想定売価 − 残したい利益 − 落札価格以外の費用

落札価格が上がっても他の費用は下がらず、上がった分はそのまま利益から削られます。費用の見積もりが甘いと、買った時点で赤字が決まっています。

落札料や陸送費は、会場や会員条件、代行を使うかどうかで変わります。内訳は落札・出品にかかる手数料の内訳で整理しているので、自社の数字と照らし合わせてみてください。

抜けやすいのが、5番目の「置いている間のコスト」です。請求書が来ない費用なので、計算から落ちがちです。でも、ヤードの一台分の枠と、その車に寝かせている資金は、確実にコストになっています。

利益が残らない車は追わないという線の引き方

高騰局面では、買わない判断も仕事のうちです。上限を超えた車は、他社に落札されて構いません。買えなかったことは、損失ではありません。

「でも、買えないと売る車がなくなる」と思いますよね。ただ、薄い利益で買うと、売れ行きが少し遅れただけで赤字に傾きます。利益率が薄いほど、在庫回転が落ちたときの傷が深くなるからです。

正直に言うと、いちばん単純な対策がいちばん外れません。会場に行く前に、狙う車ごとの上限をメモしておく。競りが始まってから上限を決めない。これだけで失敗はかなり減ります。

メモは社長の頭の中ではなく、紙や共有の表に残してください。担当者が入札する会社なら、なおさらです。上限が見える形になっていれば、「あと一声」で超えたかどうかも後から確かめられます。

初心者がつまずきやすいポイントです。競りで熱くなる場面

つまずきやすい場面は、おおむね3つです。

  • 続けて何台か落とせず、「次こそ」と上限を超えて入札してしまう
  • あと一声で落札できる状況で、上限を少しだけ超えてしまう
  • 流札になった車を見て、「いま取らないと次はない」と焦る

どれも、上限が頭の中にしかないときに起きます。1,000社以上の輸出支援のなかでも、仕入れ値が上がる局面で、こうした失敗は何度も見てきました。

「1台で少し超えただけ」と思うかもしれません。でも、それが月に何台も重なれば、削られるのは利益そのものです。

仕入れ全体の考え方は中古車輸出の仕入れルートの選び方で書いています。高騰局面では、オークション一本に頼らない仕入れも選択肢になります。

茶谷's POINT 想定売価を今の相場で置くか、少し低めに置くか。私なら、売れるまでの日数分だけ低めに置きます。今の相場で置くと、売れる前に相場が戻った分がそのまま利益から消えるからです。まず自社の平均在庫日数を確かめてください。
茶谷's POINT

高く仕入れた車を長期在庫にしない。何を決めておくか、先に決めてください

寝かせるほど相場の変化をかぶる

高値で仕入れた車は、売値を下げられる余地が小さくなります。そのまま置いておくと、相場が落ち着いたときに、仕入れ時の相場高を売値へ乗せられなくなります。

置いている間も、ヤードの場所と資金は押さえられたままです。長期在庫が増えると、次の仕入れに回せる資金が減り、在庫回転が落ちます。

利益率も資金繰りも、じわじわ苦しくなります。高騰局面では「仕入れで負ける」より、「仕入れたあとに寝かせて負ける」ほうが、傷が深くなりがちです。

日数で区切って売り方を見直す

長期在庫は、どこの会社も抱える問題です。たとえばUCARWORLDの加盟店には、ヤードに入庫してから40日動きがなければ、オークションへの再出品を再検討する社内ルールを作っている会社があります。

このように日数で区切っておけば、「そのうち売れるだろう」という先送りを防げます。日数は会社ごとの事情で変わるので、40日はあくまで一例です。自社の回転に合わせて決めてください。

日数に加えて次の点も見ておくと、再出品や売り先の変更を決めやすくなります。

  • 問い合わせや商談が入っているか
  • 同じ型の車が、周りでどれだけ出ているか
  • 再出品したときの想定手取り(出品の費用と陸送費を引いたあと)
  • 売値を下げた場合に、利益が残るか

再出品しても流札が続くなら、価格を見直すか、売り先そのものを変える段階です。

再出品と売り先変更、切り替えのタイミング

再出品は何回までか、売り先はいつ変えるか。ここを決めていない店が多いです。一例として、段階に分けて書きます。

  1. 入庫から決めた日数がたっても動きがなければ、もう一度出す前に出品の内容を見直す(写真、車両情報、開始価格)
  2. 見直して出しても流札なら、売値の下げ幅と手取りを計算し直す
  3. それでも利益が残らない、または動きがないなら、売り先を変える(国内小売、別の会場、海外販売)

日数の目安は、自社の平均在庫日数をもとに決めてください。外したくないのは、同じ条件で出し続けないことです。同じ会場に同じ価格で出し続けても、結果は変わりにくいからです。

高値で仕入れた車ほど、判断が遅れます。「ここまで払ったのだから」と、仕入れ値に引っ張られるからです。

仕入れ値は、もう動かせません。見るのは、いまいくらで売れて、手元にいくら残るかです。

国内で動かない車を海外に回すという選択

国内の小売で動かなくても、海外には需要がある車があります。年式が古い、走行距離が伸びた、国内の好みに合わない、といった車です。

再出品を繰り返すより、売り先を海外へ広げたほうが早く動く場合があります。国内で値が落ちた車の出口は、年式別の査定額推移と売り時の判断でも触れています。

UCARWORLDは世界100か国以上への販路があり、商用車・トラック・建機にも対応しています。乗用車以外の在庫も、出口の候補に入ります。

中古車相場が高いうちは、仕入れる側と売る側のどちらに立つか

高騰局面は、買う側に不利なだけではありません。手持ちの在庫がある側にとっては、売り時になることもあります。どちらに立つかは、相場の印象ではなく、自分の数字で決めます。

売る側に回ったほうが手残りが増える場合

手持ちの在庫が仕入れたときより高い相場で売れそうなら、売る側が有利になることがあります。入庫から日数がたった車は、動かすかどうかを早めに決めておくと、後で慌てません。

比べるのは、売値ではなく手取りです。

売り先見る項目
国内オークションへ出品想定の成約価格、出品の費用、陸送費、成約までの日数、流札のリスク
海外販売想定の売値、輸送や手続きの費用、入金までの期間、為替の影響

売値が高く見えても、費用と待つ日数を引くと逆転することがあります。両方を同じ条件で引き算してください。

海外販売には、入金までの期間と為替の影響が加わります。その代わり、国内では値がつきにくい車にも買い手が見つかることがあります。手取りだけでなく「売れるかどうか」も並べて見てください。

仕入れを続けても利益が残る場合

売り先が先に決まっている車や、仕向け国の売値から逆算しても上限が残る車は、仕入れを続けて構いません。条件は、総仕入れ原価を引いても利益が残ることです。

全部の車を一律に追うのでも、一律に止めるのでもありません。利益が残る車種は追い、残らない車種は見送る。これを車ごとに分けて判断します。

売るか仕入れるかの分かれ目は、この3つです

  1. 手取りの差:いま売った手取りと、寝かせて売ったときの見込み手取りの差
  2. 入庫からの日数:日数がたつほど、置き場と資金のコストが積み上がる
  3. 売ったあとの補充原価:売って空いた枠を、いまの高い相場で仕入れ直しても利益が残るか

3つ目は見落としがちです。手持ちを高く売れても、同じ車を同じ高値で仕入れ直すなら、次の一台の利益は薄いままです。

売り逃げて終わりにしないでください。売ったお金で次に何を仕入れるかまで見て決めます。

3つのうち2つ以上が「売る」に傾くなら、売る側に回る。2つ以上が「仕入れる」に傾くなら、続ける。そう決めておけば、競りの熱に流されにくくなります。

「売る」と「仕入れる」を分ける日数と利益額の線は、自社の平均在庫日数とこれまでの利益の実績から決めてください。他社の数字を借りても、自社の回転には合いません。

3つの分かれ目のうち、2つ以上がどちらに傾くか
「売る」に2つ以上
売る側へ
手持ち在庫の手取りを確定させる
「仕入れる」に2つ以上
仕入れ継続
総原価を引いて利益が残る車だけ追う

相場が落ち着いたときに慌てないための準備

いつまで続くかは、誰にも断定できません。だから、相場の見通しではなく、自分の基準を持っておきます。

  • 狙う車ごとに、総原価から逆算した上限を決めておく
  • 入庫からの日数で、再出品や売り先変更の区切りを決めておく
  • 国内と海外、売り先を複数持っておく
  • 成約単価と出品台数を、前年同月比で月ごとに記録しておく

この4つは、半年後に読んでもそのまま使える基準です。

とはいえ、海外の売り先を自分ひとりで増やすには手間も時間もかかります。海外販売を検討中の方、掲載を希望する販売店の方は、気軽にお問い合わせください。

中古車輸出の無料相談|UCARWORLD BIZ

在庫車両の輸出可能性の診断も受けています。「この車、海外で動くのか」というところからの相談で構いません。

オークションの落札価格の高騰でよくある質問

高騰はいつまで続く?

断定できません。報道で分かっているのは、2026年4〜9月のUSSのAA実績で成約価格が過去最高だった、というところまでです。

見ておきたいのは、出品台数と輸出需要の変化です。オークション会社の公表データで、成約単価と出品台数を前年同月比で追ってください。見通しを当てようとするより、変化に早く気づける仕組みを持つほうが、損は小さくなります。

輸出向けの仕入れは止めたほうがいい?

一律には言えません。仕向け国での販売価格から総仕入れ原価を引いて、利益が残るかどうかで決めます。

残らない車は追わない。残る車は続けて構わない。この線引きを車種ごとに行います。為替が有利なうちに上げた上限は、為替が戻ると利益から削られる点も覚えておいてください。

手持ちの在庫は今売ったほうがいい?

売り時の判断材料にはなります。ただ、急いで売るべきかどうかは、手取りの比較で決まります。国内オークションへの再出品と海外販売、それぞれの手取りを並べてください。

寝かせるほど、相場の変動の影響を受けます。入庫からの日数も、判断の材料に加えてください。

落札価格以外にかかる費用は?

落札料、陸送費、整備や仕上げのリコン費用を足して、総原価で考えます。輸出の場合は、手続きと輸送の費用も入ります。

金額は会場や会員条件で違うので、ここでは書きません。自社の請求書から過去の実額を拾っておくと確実です。

UCARWORLDが選ばれる理由

UCARWORLD.BIZ

仕入れ値は上がるのに、売値はそう簡単に上がらない。その間に挟まれて、在庫が動かないまま日数だけが過ぎていく。そんな悩みを、輸出をしている社長から何度も聞いてきました。

私はトレードカービューの立ち上げに関わり、その後は自分で中古車輸出の会社を創業して、輸出の買い手側からオークション相場を見てきました。1,000社以上への輸出支援でも、仕入れと在庫の悩みはいつも中心のテーマでした。

そこで分かったのは、高騰局面で効くのは相場を当てることではなく、売り先を国内だけにしないことです。上限を守って見送った車があっても、手持ちの在庫に別の出口があれば、資金は止まりません。

UCARWORLDは、世界100か国以上への販路を持つグローバルな中古車マーケットプレイスです。国内で値がつきにくい車や長期在庫車の出口として、海外販売を使えます。商用車・トラック・建機にも対応しています。

Web集客にも力を入れているので、在庫を海外のバイヤーに見てもらう入口になります。海外販売が初めての加盟店にも、進め方の支援をしています。全体像は中古車輸出ビジネス完全ガイドにまとめています。

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