💡 この記事でわかること
- 輸出買取の金額が現地売価からの逆算で決まる仕組み
- 同じ1台でも業者ごとに提示額が割れる three つの理由
- 仕向地の年式規制で査定額が段差を踏む理由
- 売り方3ルートの手残りと回収期間の比べ方
- 抹消登録と税還付で損をしないための契約項目
結論から書きます。車の輸出買取で出てくる金額は、「日本国内でその車がいくらに評価されるか」を見て決まった数字ではありません。
仕向地の店頭価格から、海上運賃・諸経費・業者の取り分を順番に差し引いた残り。これが提示できる金額の上限です。
この仕組みが頭に入っていると、同じ1台なのに業者ごとに提示額がばらつく理由も、返答を1週間寝かせただけで金額が下がる理由も、同じ論理でつながって見えてきます。逆に、知らないまま話を進めると、言われた数字を信じるしかなくなります。
この記事では、輸出買取の値付けの考え方、申し込みから入金までの流れ、そして自社にとってどの売却方法が有利かを見極める基準について書いていきます。
輸出向けの買取価格、何を見て決まっていると思いますか?
国内向けの買取と輸出向けの買取は、査定シートそのものが違うわけではありません。値段を組み立てるときの起点が、まったく別なんです。
ここを理解していないと、業者の提示額が「高いのか安いのか」を自分で判断する物差しを持てません。まずは値段のでき方から押さえてください。
国内の買取価格は次の売り先が国内だから決まる
国内での買取や下取りの金額は、オートオークションでの落札相場か、自社の店頭に並べたときの想定販売価格から逆算して決まります。next の買い手が国内にいる前提で組んだ数字、ということです。
年式が古くなり、走行距離が10万kmを超えるあたりから、国内でその車を次に引き取ってくれる相手が減っていきます。引き取り手が減った分だけ査定額が削られ、ある水準を超えるとゼロ円。さらに進むと、こちらが処分費用を負担する側になります。
査定士が厳しくしているわけではありません。出口が国内にしかない以上、そう計算せざるを得ない、というだけの話です。
輸出は現地売価から運賃と諸費用を引いた残りが上限
輸出の値付けは、海外の相場から逆算して組み立てられます。狙う仕向地で、同じ型式・似たコンディションの車が実際にいくらで販売されているか。ここが出発点です。
そこから海上運賃、国内の陸送費、港での作業費、通関と輸出許可にかかる実費と手間、最後に業者自身の取り分を差し引いていきます。式にすればただの引き算です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現地売価 | 狙う国で、同型・同程度の車が実際にいくらで取引されているか |
| − 海上運賃・保険 | 航路と船の空き具合で、そのつど上下する |
| − 国内費用 | 陸送、港湾作業、書類、輸出許可までの実費と手間 |
| − 業者利益 | 在庫を持つ期間と為替の振れを見込んだ取り分 |
| = 買取上限 | この線を超える金額は構造的に出ない |
国内相場が完全に無関係になるわけではありません。同じ車を国内の業者も欲しがれば、競り合いで値が上がって輸出側は引いていきます。
逆に言えば、日本市場で誰も手を挙げない車ほど、輸出側の引き算の結果がそのまま提示額として表に出てきます。だからこそ、国内査定との差が大きく開くわけです。
だから同じ車でも業者ごとに提示が割れます
一括査定に出したら、同じ1台なのに提示額が何倍も違った。こういう経験、ありませんか。
片方が親切でもう片方が不誠実、という単純な話ではないケースが実は多いんです。出す先の国が違えば海外相場そのものが違いますし、使う船会社や積み方が違えば運賃も変わります。
在庫を何か月抱える見込みかで、リスク分の見積もりも変わってきます。引き算の材料がそもそも全部違うのですから、残る金額が揃うほうが不自然です。
提示が割れたときに確認すべきことは、3つで十分です。
- どの国に出すつもりか
- その国の年式規制に、うちの車は収まっているか
- 運賃はコンテナ詰めか、それとも自走で積むのか
この3点への答え方で、根拠を持って値付けしている業者かどうかが見分けられます。3つとも曖昧な返事しか返ってこない業者の高値は、現車確認の段階で削られる前提の数字だと考えておいたほうがいいでしょう。
手元の在庫がどの国に向くのか分からない、という段階でも構いません。海外への販売を考えている方は、気軽に相談してください。在庫車両の輸出可能性の診断も行っています。

国内で値がつかない車が海外で評価される理由
「高走行=売れない」という国内の固定観念は、いったん捨ててください。同じ条件が、海外ではまったく違う意味を持ちます。
10万kmで乗り換える日本の習慣は世界標準ではない
国内では、走行距離が10万kmを超えた瞬間に評価がガクッと落ちます。これは買う側の心理的な区切りで、なだらかではなく階段状に下がっていくのが特徴です。
ただ、この基準が通用するのは日本の商習慣の内側だけ。仕向地の街を走っているのは15万km、20万kmを走った日本車で、壊れたら直しながら乗り続けるのが普通になっています。
新車を現金でぽんと買える層は、どの国でも限られています。限られた予算で選ぶのが「安いがすぐ壊れる他国製の中古車」か「距離は出ているがめったに壊れない日本車」かなら、選ばれるのは後者です。走行距離は、国内ほど強い減点材料にはなりません。
どういう条件がそろったときに値になるのかは、低年式・過走行が値になる条件でまとめています。この記事では、そこで付いた値が「妥当かどうか」を見る側に話を絞ります。

13年目の税負担で手放された車が海外では現役
初度登録から一定の年数が経つと、自動車税や重量税が上がります。国内ではこのタイミングで手放す判断をする低年式車が、まとまった台数、市場に出てきます。
走行に問題はなくても、税金と車検費用を並べると採算が取れない。同じ車が、海外ではまだ長く現役で働ける道具として評価されます。
国内相場が表しているのは「日本の制度内でいくらの価値か」であって、その車に残っている寿命ではありません。輸出買取が成立するのは、この制度上のギャップが大きく空いているからです。
整備記録が残っている車は海外でも通用する
車検制度のある国の車ですから、日本車はどこかのタイミングで必ず点検を受けています。記録簿が残っていて、タイミングベルトやミッションの整備履歴が追える車は、海外バイヤーにとっても値付けの根拠になります。
年式も走行距離も同じ2台でも、記録簿の有無で商談の進み方が変わってきます。「直しながら長く使う」市場ですから、どこを直した車なのかが分かるだけで安心材料になるわけです。
輸出買取に出す前に、車検証入れの中身を一度確認してください。記録簿、あれば整備明細も。これが揃っているだけで、現車確認で減額される理由が1つ消えます。
仕向地の規制で買える上限が変わる。ここで差が出ます
輸出買取の額が業者ごとに割れる最大の理由は、車の状態ではなく相手国側の制度にあります。ここを知らないと、下がった理由を全部「値切られた」と受け取ることになります。
年式規制がある国は買える車の線が明確に引かれる
輸入できる中古車の古さの上限は、国ごとに定められています。製造から何年まで、という線引きで、1年でもオーバーすれば原則として船に積めません。排ガス基準で足切りをしている国もあります。
どうなるか。線の内側に収まる車は受け入れ先の国が複数生まれ、業者同士の取り合いになって額が上がります。線を1年またいだ瞬間に候補国が一気に減り、提示額は段差を踏み外すように落ちます。
1年違いで金額が大きく変わるのは、相場がなだらかに下がっているからではありません。この段差に引っかかったからです。製造年が効く市場の実例は、スリランカ向けの軽自動車の年式制限を読むと感覚がつかめます。
右ハンドルが入らない国は最初から候補外
右ハンドル車の登録自体を制度として認めていない国もあります。こうなると、車の状態がどれだけ良くても、その国は最初から売り先の候補から外れます。
左側通行かどうか、右ハンドル登録が制度として通るかどうか。仕向地の候補は、まずこの1点でふるいにかけられます。状態の話より前の、入口の条件です。
規制の線をまたいだ瞬間に値段が落ちる
だから、出口を複数持つ業者と1か国しか持たない業者では、同じ車でも結果が変わります。1か国だけの業者は、その国の規制と好みに合致する車には強い金額を出せますが、外れた車には値をつけられません。
複数国に出口を持つ業者なら、ある国の規制に合わない車を別の国に振り替えられます。振り替え先があるかどうかが、そのまま提示額の差になって出てきます。
在庫を持ち込むときは、「この車はどこの国向けになりますか」と聞いてみてください。即座に答えが返ってくる業者は、現地売価から逆算する材料をきちんと持っています。
1社に断られたからといって「この車は輸出でも無理だ」と判断するのは早すぎます。その業者の出口に合わなかっただけ、というケースが本当に多いんです。
茶谷's POINT 私は在庫を見るとき、値段より先に出口の国を考えます。右ハンドルが入らない国は最初から候補外です。同じベンツで同じような年式、コンディション、モデルでも、右ハンドルだから欧州向けには出ないので価格が大幅に下がるということはよくある事例です。

提示額に有効期限がある話、先に知っておいてください
輸出の買取額は、国内査定に比べて賞味期限が短いです。業者が急かしているわけではなく、逆算の前提自体が動くからです。
為替が動けば逆算の前提が変わる
現地売価は、多くの場合外貨建てで組まれています。円高に振れれば、外貨での売価が変わらなくても、円換算した手取りは減ります。減った分は、そのまま買取の上限を押し下げます。
数円の変動でも、1台あたりの利幅が薄い車種なら簡単に吹き飛びます。だから業者は、為替の振れ幅をあらかじめ自分の取り分に上乗せして提示してきます。
この上乗せが厚い業者は提示額が低めに、薄い業者は高めに出ます。ただし相場が動いたときに条件を引き直す余地も、その分だけ大きくなります。高い提示が必ずしも得とは限らない、というのはこういう意味です。
為替が仕入れと利益率にどう跳ね返るかは、円安局面の仕入れ高騰と利益率で数字の見方を整理しています。
スペースが埋まっている時期は運賃が効いてくる
海上運賃も固定ではありません。船のスペースが埋まる時期は運賃が上がり、その分だけ差し引かれる額が増えます。
積み方によっても変わります。自走できる車をそのまま船に載せる場合と、コンテナに詰め込む場合とでは、1台あたりの負担が違います。同じ車を同じ国に出すのに、先月と今月で提示額が違う。理由の半分は、この運賃の変動です。

返答を引き延ばすと不利になりやすい
現場でよく起きるパターンです。金額を聞いて、社内で検討して、もう少し粘れるかもしれないと2週間ほど寝かせる。戻ってみたら提示が下がっている。
値切られたと感じるかもしれません。ただ実際は、業者側は為替と船のスケジュールの変化を反映して引き直しただけ、というケースが多いんです。
決済や手続きにも日数がかかります。うちの販売店では、信用状の開設には2週間ほどみておく感覚で動いています。金額を寝かせている間に、その2週間分の前提条件も一緒に変わっていきます。
輸出の案件では「決めるまでにかかる時間」もコストの一部として数えてください。迷うようであれば、いつまで有効な提示なのかを先に書面で確認しておくほうが安全です。
売り方は3つ。手残りと回収期間で比べてください
海外に売るルートは大きく3本あります。手残り、かかる日数、抱えるリスクを同じ軸で並べて比べます。
| 手段 | 手残り | かかる日数 | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| 輸出に強い買取業者に売る | 逆算から業者の取り分を抜かれた分だけ低い | 短い。現車確認から入金まで数日〜2週間程度が目安 | 現車確認での減額。抹消登録の遅れ |
| 海外バイヤーへ直接売る | 天井はいちばん高い | 長い。決済条件の詰めと船の手配で数週間〜 | 入金の不履行、書類の不備、輸送のトラブルを自社で抱える |
| マーケットプレイスで自社在庫として出す | 業者の取り分を自社に残せる | 引き合い次第。掲載期間がそのまま在庫期間になる | 売れるまで在庫を持つ。為替と運賃の振れを自社で受ける |
輸出に強い買取業者に売る
在庫を早く現金化したいなら、これが最も速い方法です。在庫回転を優先するなら、手残りの差は回転数でカバーできます。
長期在庫として金利と保管費を払い続けるより、売り切って次の仕入れに資金を回したほうが、年間トータルの利益率は上がる。この判断は十分に成立します。
1台あたりの粗利ではなく、その資金が1年で何回転するかで考えてください。販売・業販・輸出の収益構造の比べ方を、同じ尺度で並べた記事も用意しています。
海外バイヤーへ個人・自社で直接売る
中間マージンが抜ける分、天井は上がる余地があります。その代わり、入金リスクを丸ごと自社で抱えることになります。
船に積んだのに残金が振り込まれない、という事故は実際に起きます。前払いにするか、信用状を立てるか。ここを決めないまま船を手配するのが、いちばん危ない進め方です。
書類作成、名義変更、抹消登録、輸出許可の手続きもすべて自社の仕事になります。信用状を使う市場なら、L/Cでディスクレになる書類不備の例を先に見ておいてください。カンマひとつで支払いが止まる世界です。
最初の取引先と条件をまとめるまでが、いちばんの山場です。1台だけ高く売りたいという動機で始めると、労力に見合わないことが多いです。
マーケットプレイスで自社在庫として海外に出す
買取業者に渡していた取り分を、自社側に取り戻す形になります。国内で売れなかった車をそのまま海外の買い手に見せられるので、長期在庫の出口として機能します。
判断基準はシンプルで、その車の在庫期間をあと何か月まで許容できるか。回転を落としたくない車は売り切り、粘れる車は自社で海外に出す。
この線引きを在庫ごとに先に決めておくと、毎回迷う時間が減ります。案件が来てから考え始めると、だいたい判断が遅れて提示の有効期限に追われます。
輸出に強い買取業者、ここを見れば分かります
看板に「輸出対応」と書いてあるかどうかでは判断できません。事前に確認する質問を決めておくのが早道です。
どの国に、どの車種を出しているか聞く
主な仕向地と、そこで実際に動いている車種を具体的に挙げられるか。ここが最初のふるいです。
電話では高い額を提示しておきながら、仕向地を尋ねると答えが曖昧になる業者は、現車確認で減額する余地を残している可能性があります。
電話査定は書類情報だけをもとにした概算ですから、現車確認とのズレはある程度発生して当然です。問われるのは、そのズレの理由をきちんと説明できるかどうかです。
申し込みから入金までの流れを時系列で押さえる
どの段階で誰が動くのか。これを頭に入れておくと、後々のトラブルを防げます。おおむね次のように進みます。
- 車両情報を送る(自社):車検証、走行距離、修復歴の有無、記録簿の有無、外装と下回りの写真。ここが薄いと、返ってくる概算も雑になります。
- 概算の提示(業者):仕向地を仮に置いて逆算します。早ければ当日〜2営業日。
- 有効期限の確認(自社):この額はいつまで生きているのか、為替が動いたらどう扱うのか。ここを聞き落とすと、後で下がったときに話がこじれます。
- 現車確認(業者):下回りの腐食、修復歴の範囲、エンジンと足回り、内装の臭い。減額するかどうかは、ここで決着をつけます。
- 契約(両者):抹消登録は誰がいつやるか、還付金の受取先、入金と引き渡しの順、キャンセル時の負担。全部書面に落とします。
- 引き渡しと陸送(業者手配が一般的):ヤードか港へ。自社ヤードからの引き取り日を決めます。
- 入金(業者):契約で決めた順番どおりに入っているか、必ず目で確かめます。
- 抹消登録と還付手続き:輸出予定の車は輸出抹消の手続きへ進みます。業者に任せる場合も、完了の書類は必ず自社に戻してもらってください。
- 通関・輸出許可、船積み(業者):ここからは業者側の領域です。
自社が手を動かすのは1・3・5・6と、8の完了確認です。実務の大半は業者側にありますが、判断とお金が絡むところは全部、自社の仕事です。ここを丸投げすると、あとで損をします。
9の通関から先がどういう手続きなのかは、税関が案内している輸出通関の手続きに一次情報があります。自分で全部やらないとしても、流れだけは目を通しておくと業者の説明が理解しやすくなります。
抹消登録と名義切り替えを誰がいつやるか
お金に直結するのがこの部分です。自動車税は抹消した月の翌月分から戻ってきますし、重量税は車検の残り期間に応じた扱いになります。
裏を返せば、手続きが1か月遅れれば、その1か月分は戻ってこないということです。台数が増えれば、この取りこぼしはまとまった額になります。
さらに厄介なのが、車を引き渡したのに登録が自社名義のまま残っているケースです。翌年度の税通知が自社に届きます。現車はすでに国内にないので、状況説明から始めなければなりません。還付も当然、取り逃がします。
契約の段階で「誰が、いつまでに、どの手続きを行うか」「完了書類はいつ返却されるか」「還付金はどの口座に入るか」を書面で決めてください。口約束のまま進めて、数か月後に通知が届いてから慌てる。輸出買取で最も多いつまずきが、まさにこれです。
なお、所有者の欄に自社以外の名前が入っている車は、手続きの前提そのものが変わります。仕入れの時点で気づけるように、所有権留保が付いた車の見分け方も押さえておいてください。
入金と引き渡しの順番を先に確認する
車を先に渡すのか、入金が先か、それとも同時か。口約束のまま進めると、後で必ず揉めます。契約前に押さえておくべき項目を並べておきます。
- どの国に出すのか、その国の年式規制に自社の車が収まっているか
- 提示額がいつまで生きるか、為替と運賃が振れたときにどう扱うか
- 現車確認で削られ得る箇所(下回りの腐食、修復歴の範囲、記録簿の有無など)
- 抹消登録の担当と期限、完了書類がいつ手元に戻るか
- 自動車税と重量税の還付金を、どの口座で受け取るか
- 名義変更と書類のやり取りをいつまでに終えるか
- 入金と車両引き渡しのどちらが先か、支払いの方法
- 話が流れたときに、費用を誰が負担するか
車種別、国内相場との乖離が大きいのはこの辺です
乗用車中心の買取解説では抜け落ちやすいポイントを書きます。読みながら、自社の在庫に当てはめてみてください。
輸出のほうが有利になりやすい条件
- 初度登録から8年以上、走行10万km超で国内の引きが弱い
- ディーゼルの商用バン・小型トラック
- 3列以上、乗車定員の多い車
- 4WDで最低地上高が確保されている
- 構造が単純で、部品が需要国に出回っている
- 修復歴はあるが、骨格の主要部は生きている
国内で売ったほうが早い条件
- 初度登録3年以内で、国内のリセールバリューが高い
- 国内で指名の入る人気車種
- 軽自動車の乗用タイプ(需要が細い国が多い)
- 小排気量のガソリン乗用車で、仕向地の税制メリットが薄い
- 電子制御が多く、現地の整備工場で直しにくい仕様
商用バン・トラックは国内評価と離れやすい
ディーゼルの商用車は、国内では規制と年式で評価を落としやすい車種です。ところが需要国では、今も現役の働く道具として買われています。
人と荷物をまとめて運べる、部品が現地で調達できる、構造がシンプルで現地の工場でも修理できる。この条件に当てはまる車は、国内相場との差が開きやすくなります。
ハイエースのような商用バン、ランドクルーザーのような頑丈な4WDが長く人気なのも、この延長線上にある話です。トラックや建機も同じ理屈で動きます。軽の商用系で製造年が効く例は、海外需要が高いミニキャブトラックの型式が分かりやすいと思います。
国内で「年式が古くて値段がつきません」と言われた車が、輸出では主力商品になる。これは珍しいことではありません。
多人数乗車と4WDが強い国がある
乗合の足として使われる地域では、座席数がそのまま値段に反映されます。舗装が悪い地域では、4WDと最低地上高が効いてきます。
私が輸出をやっていたころは、幼稚園バスもアフリカによく出していました。あえて安く仕入れていましたが、現地では大人が乗るのだろうかと、今でも想像が膨らみます。国内の使い方の枠で考えると、需要を読み落とします。
装備の好みも国ごとに違います。エアコンが必須の国もあれば、装備が少ないシンプルな仕様のほうが修理しやすく好まれる地域もあります。
ボディカラーも、白やシルバーが無難に売れる市場と、濃い色が敬遠される市場があります。自社の在庫を出すなら、色と装備まで含めて「どの国に合うか」で考えたほうが、判断が早くなります。
逆に乖離が小さい車もあります
すべての車が輸出向きというわけではありません。国内でもリセールが強い人気車種、年式の新しい車、軽の乗用タイプの一部などは、国内相場自体が高いので輸出の逆算では届きません。
ガソリンの小型乗用車も、仕向地の税制次第で思ったほど伸びないことがあります。ここは割り切ってください。
差が小さい車は、国内で早く売ったほうが手残りも在庫回転も良くなります。輸出は、国内で出口が細い車を高く売るための手段です。在庫を何でも輸出で考えると、かえって回転が落ちます。
よくある質問
10年以上・10万km超の車でも輸出買取の対象になりますか
なります。というより、低年式・過走行車は輸出の主力です。
ただし仕向地の年式規制で上限が決まっているので、その業者がどの国に出しているかで答えが変わります。規制の範囲内に収まる国を持つ業者なら値がつきますし、持っていなければ「うちでは扱えません」で終わります。1社に断られたことと、その車の価値そのものは別の話です。
動かない車や事故車でも輸出で売れますか
部品として使う、あるいは現地で修理して走らせる。この二つの出口があるため、値がつくことはあります。
ただし自走できない車は積み方が限られます。コンテナへ押し込む手間や積載の段取りが増え、その分が引き算に反映されます。だから提示は伸びにくくなります。
エンジンが生きているか、骨格までダメージがあるかでも扱いが分かれます。写真と状態を細かく添えて確認してみてください。
個人で海外バイヤーに直接売ったほうが高いですか
中間の取り分が抜ける分、天井は上がる余地があります。ただし入金リスク、書類作成、輸送の手配まで全部自分で背負うことになります。
決済条件を詰めるのにも時間がかかります。うちの販売店では、信用状の開設に2週間ほどみておくという前提で段取りを組んでいます。1台だけ高く売りたい、という理由で始めると、手間と時間が見合わないことが多いです。
輸出業者に売ると自動車税の還付はどうなりますか
抹消のタイミング次第で金額が変わります。手続きが遅れた分は、そのまま取り逃がします。
担当と期限、完了書類が戻る日、還付金の入金先。この3点を契約時に固めてください。決めずに車だけ渡すと、名義が残ったまま翌年度の納税通知が自社に届く、という展開になります。
査定額の有効期限はどれくらいですか
長くは持ちません。為替と海上運賃が動けば、逆算の前提そのものが変わるからです。
扱いは業者ごとに異なりますが、いつまで有効かを最初に確認しておくのが安全です。返答を引き延ばすと、値切られたのではなく前提が変わって下がる。これが実際に起きます。
輸出の全体像から押さえたい方は中古車輸出ビジネス完全ガイドもどうぞ。個別の在庫について相談したい場合は、車検証と写真を添えて問い合わせてもらえれば、どの国に向きそうかの診断からお答えします。

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UCARWORLD BIZ
UCARWORLDが選ばれる理由
国内のオークションに流しても値が伸びない。下取りで置いていかれた車が、ヤードの奥で月を越えていく。そういう1台の出口に困っている社長は多いはずです。
買取に出せば早いけれど、業者の利益分は引かれます。自分で海外に売れば手残りは増えるけれど、相手をどう探すかが分かりません。この板挟みが、輸出買取でいちばん多い悩みです。
私はトレードカービューの立ち上げに関わり、その後、自分の中古車輸出会社を経営してきました。買取側が何を基準に値を付けているのか、逆算のどこに利益を積んでいるのかは、内側でやってきたからこそ見えています。これまで1,000社以上の販売店の輸出をサポートしてきました。
UCARWORLDは、日本の販売店がそのまま世界へ在庫を出せるマーケットプレイスです。世界100か国以上に販路があるので、年式規制で1か国から外れた車も、別の国の買い手に届きます。
乗用車だけでなく商用車・トラック・建機にも対応しているので、国内相場と離れやすい車ほど力を発揮できます。海外販売が初めての会社でも進められる体制を整えていますし、加盟いただいた販売店には、どの国に向けてどう見せるかまで一緒に考えます。
海外販売を検討している方は、気軽に相談してください。掲載を希望する販売店からのお問い合わせフォームもお待ちしています。手元の在庫がどの国に出せそうか、輸出可能性の診断も行っていますので、長期在庫の出口を一緒に考えましょう。
経歴
- カービューにて中古車輸出プラットフォーム「Tradecarview(現TCV)」を立ち上げ
- 中古車輸出未経験企業を含め、1,000社以上の輸出支援を実施
- 楽天グループにて海外EC展開・越境販売を推進
- 中古車輸出企業「カーペイディーエム」を創業し、豊田通商へ事業売却(M&A)
- 中古車輸出プラットフォームの立ち上げ・海外展開・M&Aを経験
- 現在はUCARWORLD(中古車輸出モール)の運営に携わり、出店企業様のモール上での販売をサポート